2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500969
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
矢野 道雄 京都産業大学, 文化学部, 教授 (40065868)
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Keywords | 天文学 / 暦法 / パンチャンーガ / 数学 / アルゴリズム / コンピュータ・ログラム / IIT Bombay / 欠月 |
Research Abstract |
古代インドの数理科学の代表である天文学と、その応用としての暦法に注目し、歴史的に考察する一方、伝統的な暦法と、それを用いる占星術が、近年のコンピュータの登場によって変容しながらも生き続けている現状も調査し、インドにおける伝統と近代化問題の一側面を明らかにするのが本研究の目的であるが、そのために今年度は2度にわたってインドを訪問し、成果をあげた。 1. まず2010年8月に、国際数学者会議の分科会としてケララ州コジコーデで開催された「古代数学史」に関する会議に参加し、インドの三角関数の歴史を概観し、インド天文学と暦の背後にある数値計算の特徴を明らかにした。 2. 南インドの聖地ティルマラで開催された「ヒンドゥーダルマ指導者会議」の主催する「伝統暦の数学」と題する会議に参加し、伝統暦の在り方に関する様々な意見を聞き、暦製作者たちと意見を交換し、私自身のパンチャーンガプログラムと、「欠月」について発表した。 これら2度のインド訪問で、多くの伝統暦を収集した。 3. インド暦に大きな影響を与えた『スールヤシッダーンタ』のサンスクリット原典研究をおこない、そこに用いられている天体モデルとアルゴリズムを再考した。これについては、8月の訪印に際して、IT BombayのRamasubramanian准教授(インド数理科学史)を訪問し、教授の下で研究を行っている博士課程の学生たちと意見を交換した。
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