2011 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔操作型坑道探査システムを用いた鉱山坑道の定量的解析
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22500979
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
久間 英樹 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (40259924)
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Keywords | 遺跡探査 / 不整地ロボット / 鉱山坑道探査 |
Research Abstract |
日本最大の金銀山である「佐渡金銀山」や兵庫県「多田銀銅山」、山口県「長登銅山」など全国の鉱山の探査を行った。その結果、ロボットに取り付けたCCDカメラの映像やレーザ測域センサのデータから、各鉱山とも本採鉱場は水平坑と下向き坑道等が入り組んだ構造となっていることが確認できた。また新たに探査結果と古文書に記載されている坑内絵図を比較することにより開発時の採掘方法等を推測した。具体的には、絵図に2つの坑道が平行に描かれている場合は、探査結果から2つの坑道には少し高低差やところどころ連結された構造であることが確認できた。これらの結果を比較検討することによりこの構造は、坑内の空気の流れを良くするためであると推測できた。更に、坑道底面に石が散乱している場合、ロボットが横転して探査が出来なくなることがあった。このためロボットの後部に駆動式のアームを取り付け横転時にアームを回転させることにより、正常状態に復帰させるよう改良も行った。また取得した坑道内部形状データを利用して坑道の実大模型を製作する方法を構築した。この方法により製作した模型を生野銀山にある博物館「シルバー生野」等に常設展示した。 また、操縦者がスムーズに操作できるコントローラや鉱石収集のためのマニピュレータシステムの開発を試みた。構造的には可能であったが本システムを搭載したロボットの重量が20kgを超えることがわかった。探査では、坑道が山の中腹にあり、たどり着くための道もない場所が多数ある。そのような現場までロボットや機材を人間が担いで運搬するため、ロボット等の重量は10kgが現実的数値であると考えている。そのためマニピュレータシステムに関しては、機構よりも軽量化を優先することが重要であるとわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載されている研究目的に則して全国の鉱山の坑道探査を行っている。具体的には、坑道の特徴にあわせて、ロボットの駆動方法や横転時の対策を行い、坑道内部形状を計測している。更に採取した坑道内データと古文書や絵図等の記載と照合することによって採掘状況の解明を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した遠隔操作型ロボットを中心とした坑道探査システムを用いて、全国各地の鉱山坑道探査を実施する。具体的には現存する日本最古銅山である山口県「長登銅山」の自然洞窟を利用した坑道や全容が不明な兵庫県「勝浦銅山」等である。これら全国の鉱山坑道のデータを比較することによって、従来は推測することが出来なかった坑道の形状からある程度採掘年代を特定できる指針を構築していく予定である。また得られたデータから新たに構築した手法を用いて坑道模型を製作する。更に操縦者への負担軽減や鉱石採取のためのマニピュレータシステムに関しては、ロボットの重量が大きくなるために実際の探査では使用していない。今後は、軽量化を試みると共に坑道探査ロボットに必要なマニピュレータシステムに関して精査する予定である。
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Research Products
(8 results)