2011 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な水利社会構築のための地理学教育研究と水のエコミュージアム
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22500986
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
新見 治 香川大学, 教育学部, 教授 (80136283)
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Keywords | 水文環境 / 水利社会 / 持続可能 / 水リテラシー / 博物館等施設 / エコミュージアム / フィールドの知 |
Research Abstract |
持続可能な水利社会の構築は環境と資源の保全にとって最重要課題であり、このためにはフィールドの知を重視した地理学研究の推進と、子どもや市民の水リテラシーを高め、社会全体の問題発見・解決能力を向上する教育支援活動が不可欠である。本研究はこのような視点から平成22年度から3年間の研究計画のもとに実施しているが、平成23年度には次の2点を中心に研究に取り組んだ。 まず、持続可能な水利社会構築のための地理学研究と教育の課題については、自らの教育研究実践を省察するとともに、地理学や地理学研究者が担ってきた水の研究教育における社会貢献事例に関する文献資料を収集し考察した。現地調査は、これまでの調査経験や自らの研究蓄積を踏まえて、香川県讃岐平野をはじめ、沖縄県石垣市、鹿児島県鹿児島市、熊本県熊本市、徳島県徳島市、岐阜県大垣市、静岡県三島市等を中心に実施した。調査対象地域は、生活・産業面での地下水への依存度が高く、過去に地下水の枯渇や汚染といった問題に直面し、住民、行政、研究者等の連携のもと地下水保全と管理に取り組んだ実績のある地域のほか、地表水資源や水文環境の保全に取り組んでいる地域である。いずれの地域においても、子どもや市民の水リテラシーを醸成する教育的活動も活発で、持続的な水利社会のあり方を探究するうえで先進的事例地域であった。2年間の研究過程においては、水文野外調査のほか、地下水保全と管理制度、水の学習・教育の具体的実践活動について資料収集等を実施し研究課題を追究してきたが、その成果を踏まえて最終年度の研究計画に反映させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年間を研究期間として実施するが、平成22~23年度の2年間においては西日本を中心に、先進的な取り組みをしている地域を訪れ、水文野外調査と必要な文献資料等の情報収集・分析を行うなど、当初計画の通りに順調に実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は3年間の研究の最終年度にあたるが、過去2年間で調査した地域を中心に再訪し、さらに現地調査と資料収集、実態解明を継続する。本研究の成果概要は、報告書や論文としてまとめ、関連学会関係者等での討議に資するものとする。
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