2012 Fiscal Year Annual Research Report
裾礁型サンゴ礁海浜における汀線砕波特性に関する野外研究
Project/Area Number |
22500990
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
青木 久 大東文化大学, 経営学部, 准教授 (30423742)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 海岸地形 / サンゴ礁 / 暴浪 / 砕波波高 / 遡上波高度 / 波高減衰 / 沖縄 |
Research Abstract |
本研究の目的は,裾礁型サンゴ礁が発達する沖縄島を調査地域として,サンゴ礁地形の水平幅(リーフ幅と呼ぶ)や潮位の異なる海浜上で汀線砕波波高と遡上波の最終到達高度を計測し,汀線砕波特性をサンゴ礁の地形特性や入射波特性によって数量的に表現することにある.最終年度は,主に野外観測を中心に研究を進めた.台風が襲来する夏期は,沖縄島東海岸に年間を通じて最も大きな沖波が入射してくる時期である.そこで,約1000mのリーフ幅をもつ新原海岸を調査地域として,台風が襲来した時期(8~9月)および冬期(11~12月)に,リーフ外縁部の波高および汀線砕波波高の計測を実施した.台風による暴浪が襲来した際には,暴浪作用前後の海浜の縦断地形測量を実施した.主な調査結果は次の通りである. 1.リーフ上の波高の減衰の程度は,リーフ外縁部での波高が大きいほど,大きくなる傾向をもつことがわかった.とくに台風による暴浪時には,波高が5 mの大きさに達しているリーフ外縁部の波は,汀線に到達すると約10~20cmほどの大きさに減衰することが観測された.またリーフ水深が小さい(潮位が低い)ほど,波高が減衰することがわかった.これらのことはサンゴ礁が外洋から入射する波浪に対し,潜堤としての役割を果たしていることを示唆する. 2.台風による暴浪直後の前浜は,わずかに侵食されたものの大きな地形変化は観察されなかった.このことは外洋から入射する暴浪の波高が汀線に到達するまでに大きく減少する1の結果と調和的であり,サンゴ礁が海浜の安定性に大きく寄与していることを示唆している. 3.本調査で得られた全ての野外データを用いて解析した結果,汀線砕波波高とリーフ外縁部での波高の比は,リーフ水深とリーフ幅の比の関数で表現されることがわかった.このことは波高減衰の程度がサンゴ礁の地形特性によって規定されていることを示している.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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