2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22501005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
深町 博史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70134450)
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Keywords | 胃がん / がん幹細胞 / 造腫瘍性 / FACS / ヌードマウス / 無血清培養 / sphere / 細胞表面抗原 |
Research Abstract |
1.我々はこれまでに、ヌードマウス皮下移植ヒト胃がん組織(Xenograft)系を用いて、FACSにより分画した細胞を免疫不全マウスへ移植してその造腫瘍性を調べる実験を行い、ヒト胃がん幹細胞のマーカーを同定した。ヌードマウス皮下移植したヒト胃がん組織は、ヌードマウスの体内環境内で増殖した組織であるので、原発胃がんとは性質が異なる可能性がある。そこで我々は、ヒト原発胃がん組織を用いて解析を行い、マーカーを発現している細胞が胃がん幹細胞であることを確認した。これは当初の目的を超える成果である。 2.更に、我々は、ヒト胃がん幹細胞が、造腫瘍性を維持したまま増殖する、無血清培養系の確立にも成功した。我々の確立した培養系で、胃がん幹細胞はsphereを形成して増殖し、増殖した細胞は、胃がん幹細胞のマーカーを強く発現し、強い造腫瘍性を保持していた。そして、(1)造腫瘍性の高さ、(2)無血清培養条件下でのSphere形成能、(3)がん幹細胞のマーカー発現、の3つは対応していることが明らかになった。これらの3つの形質は、共通の機構によって調節されている可能性がある。この調節機構を解明することが、胃がん幹細胞の造腫瘍性の調節機構の解明につながると考えられる。 3.以上の結果は、われわれがこの2年間のうちに、当初の目的を果たしたことを示している。今後、今回の研究によって樹立されたシステムを用いて、胃がんの根治を可能とする画期的な治療方法の開発を試みたい。
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[Journal Article] Loss of Runx3 is a key event in inducing precancerous state of the stomach2011
Author(s)
Ito, K., Chuang, L. S. H., Ito, T., Chang, T. L., Fukamachi, H., Salto. Tellez, M., and Ito, Y.
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Journal Title
Gastroenterology
Volume: 140
Pages: 1536-1546
Peer Reviewed
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