2010 Fiscal Year Annual Research Report
核蛋白ピグペンの血管新生促進作用の機序の解明と血管新生制御への応用
Project/Area Number |
22501006
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安部 まゆみ 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80271980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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Keywords | ピグペン / PILSAP / 血管新生 / 腫瘍血管新生 / 血管新生制御 |
Research Abstract |
PILSAPは申請者らが見出した新規血管新生因子のアミノペプチダーゼであるが、申請者はこの分子が血管新生だけでなく脈管形成にも必要である事を、in vitroの肺性幹(ES)細胞の分化系を用いて明らかにした(Genes to Cells, 2006, 11 : 719-29)。ES細胞から血管内皮細胞への分化の過程でPILSAPのアミノペプチダーゼ活性に発現を制御される核蛋白をプロテオーム解析により検出したところ、血管新生に関与する可能性が示唆されている分子ピグペンが得られた。血管内皮細胞におけるこの分子の発現をsiRNAで抑制すると、増殖や遊走、ネットワーク形成などのin vitroでの血管新生だけでなく、C57BL/6マウスを用いたマトリゲルプラーグアッセイにおいてもbFGFによる血管新生をも抑制した。以上より、ピグペンが血管新生に促進的に作用することが明確となった。そこで我々は、ピグペンのsiRNAを用いて腫瘍の血管新生を抑制することで、抗腫瘍効果が得られないかを検討した。c57BL/6マウスのマトリゲルプラーグアッセイの系で、bFGFの代わりにルイス肺がん細胞を用いた。マウスに皮下注したルイス肺がん細胞から成る腫瘍の増殖は、コントロールのscrRNA群に比し、siRNA群で有意に抑制されており、それは腫瘍血管新生阻害の程度に依存していた。以上より、ピグペンが腫瘍血管新生促進ならびにそれによる腫瘍増殖に関与する可能性が示唆されるとともに、その発現抑制は治療応用の可能性を示した。
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Research Products
(5 results)