2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22501011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 敏理 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70293876)
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Keywords | Rho / 細胞悪性化 / Src / mDia / アクチン細胞骨格 / 足場依存性増殖 |
Research Abstract |
癌原遺伝子は通常、厳格な調節の下で細胞増殖を制御しているが、変異や欠失によりその遺伝子産物は調節を受けることなく情報を伝達もしくは遮断し、その結果、細胞は秩序なく増殖を繰り返すこととなる。このような細胞では、足場非依存性増殖、接触阻害の回避などに加え、アクチンストレス線維の消失に伴う細胞形態の球状化が観察される。このような性質はアクチン細胞骨格との密接な関係があると考えられ、その制御蛋白質である低分子量G蛋白質Rhoシグナリングも強く関与している。そこで、Rhoによる細胞癌化の機構の解析のため、Rho標的蛋白質の1つmDiaに関して、すべてのアイソフォームに対するノックアウトマウスを作出した。その中でmDia1ノックアウトマウスより単離したMEF細胞に温度感受性v-Srcを恒常的に発現させた細胞群(KO-NY72)を作成した。その対象として、同腹野生型マウスより単離したMEFを用い、同様な操作により、細胞群WT-NY72も同時に作成した。KO-NY72細胞ではWT-NY72に比べてv-Srcによる足場非依存性増殖、接触阻害の回避、腫瘍形成能のいずれについても顕著な低下を示した。WT-NY72細胞を移植すと、腫瘍形成が観察されるのに対し、KO-NY72細胞を移植しても、腫瘍の形成を認めない。加えて、WT-NY72細胞株においてはnon-permissive temperatureよりpermissive temperatureへ移行させた時、v-Srcが細胞の核周囲から細胞膜への移動するのに対して、KO-NY72細胞ではこの移動が抑制されていることを見出した。このことは、mDiaがv-Srcの局在を調節すること、このことが、細胞悪性化・癌化と強く関係していることを示している。(Tanji et al 2010 MCB 304604-4615)
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Research Products
(5 results)