2012 Fiscal Year Annual Research Report
ガン細胞の走化浸潤を担うダイナミンナノクリップ:新たな制ガン剤の分子標的
Project/Area Number |
22501013
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 匡史 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (60423282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 浩司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80325092)
渡部 昌実 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70444677)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 浸潤 / ダイナミン |
Research Abstract |
これまでに181種類のダイナミン阻害剤ダイナソアの構造類似体をアクチン線維形成を指標としてスクリーニングした。既知のダイナミン阻害剤ダイナソアよりも、強力なアクチン線維形成阻害作用を持つ分子DBHA(N'-(4-(diethylamino)benzylidene)-4-methoxybenzohydrazide)を同定できた。この分子の、がん細胞の遊走に対する効果を調べた。DBHAは、ヒト肺ガン細胞株(H1299)の血清刺激依存性ラッフル膜形成を強く阻害した(IC50=16.7 μM)。さらに、創傷治癒試験によりDBHAが遊走活性を顕著に抑制する事も判明した。細胞遊走を阻害するDBHAの濃度では、細胞毒性も見られなかった。これら結果をまとめて、論文を作成中である。 ダイナミン・コルタクチンによるアクチン制御機構の一部を解明した。ダイナミン・コルタクチン複合体は、成長円錐の糸状仮足上に局在しており、ダイナミンの阻害剤やコルタクチンの発現抑制により、これら分子の機能を抑制すると、速やかな成長円錐の退縮を引き起こした。分子機構については、ダイナミン・コルタクチンは、アクチン線維を束化することにより糸状仮足を安定させることが判明した。これら結果の一部をまとめ、米国神経科学会誌に発表した(Yamada et al., J. Neurosci., 2013)。 リン酸化によるダイナミン・コルタクチンの機能制御の可能性を考え、まず、タンパクキナーゼCによってin vivoでリン酸化を受けるのかを調べた。コルタクチンは、in vitroでタンパクキナーゼCによりリン酸化された。コルタクチンは、リン酸化によりそのアクチン束化能は顕著に減少した。今後、ダイナミン・コルタクチン複合体におけるリン酸化の生理的意義を調べていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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