2011 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の発生や進展に寄与するmicroRNA及びnon-codingRNAの同定
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22501015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 浩平 九州大学, 大学病院, 講師 (50363560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 豊樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (30264112)
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Keywords | lincRNA / 大腸癌 / 癌幹細胞 / 癌関連遺伝子多型 / マイクロアレイ / laser microdissection / aCGH |
Research Abstract |
われわれは平成16年度から平成21年度まで戦略的創造研究推進事業助成を受け、大腸発癌および癌進展において重要な役割を担う因子について解析を行った。すなわち、国内9機関の研究協力体制のもと、われわれは大腸癌157例の原発巣よりlaser microdissectionを実施し、癌細胞を採取した。Genomic DNAおよびtotal RNAを抽出し、それぞれ236K個のゲノム領域probeを用いて各々解析をした。 1)その結果、染色体8番の遺伝子多型直上において存在する転写産物Xを同定した。Xはlong non-coding RNAに属し、MSS陽性の大腸癌症例において認められ、染色体不安定性に関与している。MSI陽性大腸癌株化細胞に強制発現させると、MSS同様の所見を示す様になることを確認した。また、この転写産物は遺伝子多型のアリルの違いにより発現量が異なることを明らかにしており、下流遺伝子としてMYC遺伝子経路が重要であることも明らかにしている。本報告はoncogenic SNPにおける世界で最初のncRNAであり、論文化にむけて鋭意準備を進めている。 2)また、臨床的に腫瘍径の小さい(<2cm)大腸癌は、腫瘍径の大きいそれに比べて生物学的特性が異なることに着目した。すなわち前者すなわち細胞増殖能に乏しい方が悪性度が高く転移再発頻度も高いことから、癌幹細胞様性質をたぶんに有することが考えられる。したがって、両者の間でマイクロアレイを実施したところ、同じく染色体8番の領域に転写産物(non coding RNA)を同定した。同遺伝子導入あるいは抑制により癌幹細胞様性質を示す(失う)ことも明らかにしており、腫瘍径を規定する(細胞増殖能)を司ると同時に幹細胞性も有することを明らかにして鋭意論文化にむけて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ふたつの異なる新規転写産物を同定しえたこと。機能解析により大腸癌の発癌および進展において重要であることを示したこと。
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Strategy for Future Research Activity |
論文報告を行い、作成したデータベースから別のncRNAを同定したい。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Down-regulation of miR-125a-3p in human gastric cancer and its clinicopathological significance2012
Author(s)
Yojiro Hashiguchi, Naohiro Nishida, Koshi Mimori, Tomoya Sudo, Fumiaki Tanaka, Kohei Shibata, Hideshi Ishii, Hidetaka Mochizuki, Kazuo Hase, Yuichiro Doki, Masaki Mori
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Journal Title
Int J Oncol
Volume: 40
Pages: 1477-82
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Long Noncoding RNA HOTAIR Regulates Polycomb-Dependent Chromatin Modification and Is Associated with Poor Prognosis in Colorectal Cancers2011
Author(s)
Kogo R, Shimamura T, Mimori K, Kawahara K, Imoto S, Sudo T, Tanaka F, Shibata K, Suzuki A, Komune S, Miyano S, Mori M
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Journal Title
Cancer Res
Volume: 71
Pages: 6320-6
DOI
Peer Reviewed
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