2011 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性VEGF‐C受容体を用いたがん転移抑制の試み
Project/Area Number |
22501018
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
北里 英郎 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (90195256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 真人 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (50152674)
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
松本 和将 北里大学, 医学部, 講師 (70306603)
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Keywords | 細胞療法 / 癌転移 / リンパ管新生 |
Research Abstract |
平成22年度においては、可溶性VEGF-C受容体(svegfr-2)をマウス線維芽細胞C57に欠損レトロウイルスベクターを用いて導入したC57-svegfr-2を作製した。この細胞をC57マウス血管・リンパ管新生モデルに移入し、Lyve-1免疫染色法によりリンパ管新生を検討した。対照としては、レトロウイルスベクターだけをC57に導入したC57-EV細胞移入群を用いた。その結果、移入したウレタンススポンジによるバックグラウンドが高く、両群で有意な差が得られなかったため、皮下から肺への転移能を有するLweis Lung Carcinoma(LLC)細胞にsvegfr-2を導入した、LLC-svegfr-2を作製した。また、血管・リンパ管新生を亢進すると考えられているvascular endothelial growth factor(VEGF)-A及びリンパ管新生を亢進するVEGF-Cをそれぞれ導入したLLC-VEGF-A,LLC-VEGF-Cを作製した。対照としては、同様にLLC-EVを用いた。2x10^6個のLLC-VEGF-A,LLC-VEGF-C,LLC-svegfr-2,LLC-EVをそれぞれC57マウスの背部皮下に移入し、10日後に原発巣、21日後に肺転移巣の病理学的解析を行った。その結果、Lyve-1免疫染色法により、原発巣にてLLC-VEGF-C移入群で有意にリンパ管新生が亢進し、逆にLLC-svegfr-2移入群では有意に抑制することが判明した。血管を特異的に染色するCD34に免疫染色では、LLC-VEGF-A移入群でやや血管新生が亢進していた。また、肺転移巣においては、LLC-VEGF-A,LLC-VEGF-C移入群で有意に転移コロニーが増加していた。LLC-svegfr-2に関する転移に関する実験は現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、C57細胞に可溶性受容体を導入し、細胞治療によるリンパ管新生抑制の機序を検討する予定であったが、LLCに直接導入したLLC-svegfr-2を作製したため、転移に関する研究がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
可溶性VEGF-C受容体を導入したC57-svegfr-2,LLC-svegfr-2におけるウェスタンブロットがうまくいっていないが、今後、抗体を変更し、確実に蛋白を同定する予定である。 平成24年度は、可溶性VEGF-C受容体による転移抑制の機序解明を中心に本課題を総括したい。
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[Journal Article] Thromboxane A(2) receptor signaling facilitates tumor colonization through P-selectin-mediated interaction of tumor cells with platelets and endothelial cells2011
Author(s)
Matsui Y, Amano H, Ito Y 、Eshima K, Suzuki T, Ogawa F, Iyoda A, Satoh Y, Kao S, Nakamura M, Kitasato H, Narumiya S, Majima M
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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