2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規p53標的遺伝子Mieapのミトコンドリアを標的とした腫瘍抑制機序の解明
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22501021
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Research Institution | 独立行政法人国立がん研究センター |
Principal Investigator |
中村 康之 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (90569063)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | p53 / ミトコンドリア / ROS / 腫瘍抑制 |
Research Abstract |
我々は、がん細胞に特異的な特徴である不良ミトコンドリアの蓄積メカニズムの解明と、それを標的とした新しいがん治療法開発のための基盤をつくるため研究を行っている。その過程で、新規p53標的遺伝子Mieapを単離同定した。Mieapは異常なミトコンドリアの修復に重要であり、ヒトがん細胞株において高頻度なメチル化を受け、不活性されていた。これらの実験結果から、不良なミトコンドリアの正常化が、がん細胞に不利に働く原因が明らかとなることが期待され、この遺伝子を用いることにより、がん治療の新しい戦略と成り得ると思われる。 アデノウイルスベクターを用いてがん細胞株にMieapを強制発現させた場合、免疫染色や免疫電顕によりミトコンドリア内にリソソームタンパク質が内在していることを明らかにした。このようなMieap発現細胞では、非発現細胞と比較してミトコンドリア内酸化タンパク質の蓄積が解消されていた。また、Mieap発現細胞ではミトコンドリアのATP合成能が高いことが明らかとなった。このことから、Mieap発現によりミトコンドリア内酸化タンパク質がリソソームにより分解、除去され、ミトコンドリアが正常化していることが示唆された。 Mieap機能解析として、Mieap結合タンパク質の同定を行った。それらのうち、Mieapによる不良ミトコンドリアへのリソソーム移行に関わるものとして、BNIP3およびNIXを同定した。さらなるMieap機能解析のため、Mieapノックアウトマウスを作成し、加齢に伴う表現型の解析を継続している。また、Mieapノックアウトマウスと大腸がん発生モデルマウスとの交配により興味深い表現型が得られ、大腸がんの進展過程におけるMieapの役割を解析している。動物を用いた実験は、培養細胞では得られないものであり、細胞のみではなく組織や個体レベルでのMieap機能を行うことが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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