2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22501026
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
阿部 雅明 順天堂大学, 医学部, 研究員 (30398656)
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Keywords | 抗体療法 / 中皮腫 / ERC/Mesothelin / アリムタ(ペメトレキセド) / Antibody-dependent cell mediated cytotoxicity(ADCC) |
Research Abstract |
これまでに我々の作製した抗ヒト膜型ERC/Mesothelinモノクローナル抗体は、ヒト上皮型中皮腫細胞株をマウス皮下に移植したヒト中皮腫モデルマウスを用いた治療実験において腫瘍内投与では明らかな増殖抑制効果を示し、本抗体投与開始前後に抗ASGM-1抗体を投与した場合やF(ab')^2化した本抗体投与ではその増殖抑制が見られないこと、また試験管内実験でもADCC作用が認められることより、本抗体はヒト中皮腫細胞株に対して主にeffector cell存在下で増殖抑制効果を示す知見が得られた。 1) そこで投与方法についての検討を行ったところ、本抗体の腹腔内投与では中皮腫細胞株によっては増殖抑制効果が認められなかった。抗腫瘍薬アリムタとの併用投与についての検討では、アリムタ単独投与で増殖抑制効果が認められたが、アリムタと本抗体の腫瘍内併用投与ではアリムタあるいは本抗体の単独投与と同程度の抑制効果であり腫瘤を完全に消失せしめるまでの相乗的な効果を得ることが出来なかった。次に皮下移植前後に本抗体を静注あるいは腹腔内投与して中皮腫細胞株の生着を抑制する(転移予防)実験を行ったが、明らかな生着抑制効果は得られなかった。 2) マウス腹腔内にも移植を行い皮下移植腫瘤と併せて病理組織学的に解析したところ、生着部位によって中皮腫細胞の膜型ERC/Mesothelin発現量と単核球浸潤の程度に差異が見られ、次段階の実験を行ううえで有用な知見が得られた。移植部位の微少環境によって効果に差が出る可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)