2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22501026
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
阿部 雅明 順天堂大学, 医学部, 研究員 (30398656)
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Keywords | 抗体療法 / 中皮腫 / ERC/Mesothelin / ADCC |
Research Abstract |
本年度も、ヒト化抗体医薬を視野に入れたヒト中皮腫に対する有効な治療法の開発を目的に、抗ヒト膜型ERC/Mesothelinモノクローナル抗体による以下の中皮腫治療実験を行った。 1.本年度はヒト上皮型中皮腫細胞株をnudeマウス腹腔内に移植したモデルを用いて、移植2週間後に抗体を腹腔あるいは静脈内投与することで腹腔内に移植した腫瘍の増殖を抑制(治療)できるかの検討を行った。 その結果、腹腔内投与では対照(抗体を投与しない)と比較して剖検時所見で腫瘍の大きさ、個数において差があり腫瘍の増殖抑制効果がみられたが、静脈内投与では増殖抑制効果がみられなかった。また、我々の開発した主に中皮腫細胞より分泌されるヒトN(分泌型)-ERC/Mesothelinの濃度を測定出来るELISA Kitを用いて、実験を行ったマウスの血中ヒトN(分泌型)-ERC/Mesothelin濃度を測定したところ、腹腔内投与群では対照群と比較して低値であった。以上の結果より、我々が開発した抗ヒト膜型ERC/Mesothelinモノクローナル抗体は、腹腔内移植したヒト上皮型中皮腫細胞株に対して腹腔内投与ではある程度の腫瘍の増殖抑制効果を有することが判った。また、ヒト上皮型中皮腫細胞株を移植したマウスの血中ヒトN-ERC/Mesothelin濃度を測定(モニタリング)することは、屠殺解剖を行わなくても腫瘍の増殖・進展の度合いをある程度把握でき、治療効果の予測をする上で意義は大きく、非常に重要なことである。 2.本年度は、より強い抗腫瘍作用を持つ新規抗体の作製に着手しており、現在精力的にその作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の交付申請書に記載した「研究実施計画」の内容をほぼ遂行した。当初の計画の静脈内投与は治療効果が得られなかったが、腹腔内投与では治療効果が顕著に認められた。また「実験動物用CTを用いた腹腔内移植後の経過観察および治療効果の確認」は、ERC/Mesothelin血液測定によるスクリーニングが極めて有用であることが判明したので、行わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト中皮腫に対してより強い抗腫瘍作用を持ち、静脈内投与でも効果のある新規モノクローナル抗体の作製が急務である。
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