2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22501027
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鵜殿 平一郎 独立行政法人理化学研究所, 免疫シャペロン研究チーム, チームリーダー (50260659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 孝 群馬大学, 医学部, 助教 (10513434)
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Keywords | クロスプレゼンテーション / 樹状細胞 / HSF-1 / Hsp90α / クロスプライミング |
Research Abstract |
本研究では、Hsp90αKOマウスを用いて、腫瘍免疫に於けるHsp90αの役割、とりわけ樹状細胞によるクロスプレゼンテーションにおけるHsp90αの機能を解析する。2010年度は次の事を明らかにした。 1,HSF(heat shock factor)-1KOマウスを用いた実験 HSF-1は多くの熱ショック蛋白の主要な転写因子の一つである。HSF-1KOマウスの骨髄よりGM-CSFにて樹状細胞を樹立(BMDC)して各種Hspの発現レベルを調べたところ、Hsp90αの減少が特に顕著である場合が多い。Hsp90β、Hsc70、Hsp40のレベルは正常マウス由来の樹状細胞と同様である。HSF-1KO樹状細胞におけるクロスプレゼンテーション機能を調べたところ、明らかに効率が低下していた。 2,Hsp90αKOマウスを用いた実験 Hsp90α-/+どうしの掛け合わせで意外にもHsp90α-/-が生まれ、成長速度も異常ない事が判明した。Hsp90α-/-マウス由来のBMDCと正常BMDCとの比較から、クロスプレゼンテーション能はHsp90α-/-において優位に低下している事が明らかになった。 なお、上記1,2の解析は可溶性OVAと細胞性OVAの両者の抗原で観察された。 細胞性OVAはTAP1(transporter associated with processing 1)欠損マウス脾臓細胞にOVAを浸透圧ショック法で導入し、これを紫外線照射してアポトーシスを誘導した細胞を用いた。 3,in vivo実験系でも同様にHsp90αKOマウスではクロスプレゼンテーション効率が低下していることが観察された。以上の結果より、in vitroとin vivo双方のクロスプレゼンテーションにHsp90αが必須の分子である事が明らかにされた。引き続きその分子メカニズムにつき解析を進めて行く。
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Research Products
(10 results)