2011 Fiscal Year Annual Research Report
早期乳癌の診断に有用な新規腫瘍マーカーの探索研究及び簡易アッセイ系の開発
Project/Area Number |
22501030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒野 定 大阪大学, 医学系研究科, 招へい准教授 (20271554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜枝 美紀 大阪大学, 医学研究科, 特任助教(常勤) (00380254)
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Keywords | 乳癌 / 腫瘍マーカー / プロテオミクス / 早期乳癌診断 / 簡易診断キット |
Research Abstract |
1解析プロトコールの全体確立: ND(NAF様)臨床検体の前処理方法、二次元(ODS(塩基性)/ODS(酸性))ナノLC-MS(/MS)による測定、ソフト(Mascot, Scaffold)を用いたタンパク質同定及び比較データ解析方法を全て開発、確立した。さらに、MSを用いたタンパク質相対定量方法としてヨードアセトアニリド(IAA)及びその13C同位体を開発し、定性、定量測定法の評価を行い、多検体で候補マーカータンパク質のバリデーションを行えるようにした。 2検体採集の継続: 大阪大学医学部附属病院、大阪府立成人病センター、大阪がん予防検診センター、及び、古妻クリニックの4施設でND,NAF様検体の採取が継続され、2012年3月31日現在、ND60検体、NAF様37検体の提供を受けた。この内、癌と診断されたものは11検体であった。非浸潤癌DCISはその内4検体であった。 3癌と非癌検体のプロテオミクス解析: 癌患者と非癌者の検体を差異比較プロテオミクスで解析した。二次元(ODS(塩基性)/ODS(酸性))ナノLC-MS(/MS)による癌・非癌検体の網羅解析及び差異比較解析より乳癌に特異的なタンパク質群の解析を進めている。現在、乳癌の第一次マーカー候補の絞り込み、及び、当該マーカー候補の抗体を用いて病理組織との相関について検討しており新腫瘍マーカーを確定しつつある。今後、新腫瘍マーカーの抗原部位を想定した合成ペプチド抗原を作製し、これらに対するモノクローナル抗体を作製する。そして、酵素免疫反応実験により病理組織中に当該タンパク質が高発現しているかどうか確認・評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度の交付申請書に記載した「研究の目的」である[1]プロテオミクスによる早期乳癌腫瘍マーカー候補の探索及びマーカー候補の絞り込みにおいて、乳癌の第一次マーカー候補として絞り込み、及び、病理組織との相関について検討し、新腫瘍マーカーを確定しつつあるため当該目的を達成しつつあると考え区分を(2)とした。もう一つの目的である[2]早期乳癌腫瘍マーカーをターゲットとした簡易アッセイ系の確立、については最終年度の目的でもあるため、今後鋭意進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究によって得られたプロテオーム発現情報と臨床病理学的データの相関を解析し、乳癌特異的な癌マーカー候補を見出す。これらの候補タンパク質について、質量分析による定量測定、及び、それらの抗体を用いた乳癌病理組織染色によって癌マーカーとしての有用性を評価する。最終的には有用性が示された新規癌マーカーを特許申請すると共に、実用化としてイムノクロマトELISA法による簡易診断法を開発する。
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Research Products
(4 results)