2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22501037
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 輝 東京工科大学, 応用生物学部, 准教授 (00367195)
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Keywords | 遺伝子 / がん / エピジェネティクス / メチル化 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
1.アミノオキシ基を持つ化合物により修飾されたシトシンの簡便な定量法の確立 本検出法では、アミノオキシ基を持つ化合物により修飾されたシトシンを定量することによりメチル化率の算出が可能となる。そこで、今年度は、修飾されたシトシンを含む標的DNAの簡便な定量法の確立を目指し、定量的PCRの1種であるリアルタイムPCRの利用を検討した。具体的には、はじめにp16遺伝子の部分配列(54mer)を標的DNAとし、メチル化を解析したい特定のシトシンがthree-way junction(TWJ)構造の分岐点上に位置するように設計したプローブDNAを結合させた。TWJ構造を形成させた標的DNAを亜硫酸水素ナトリウムとアミノオキシ化合物で化学修飾した後、リアルタイムPCRを行い未修飾の標的DNA量を定量した結果、分岐点上の塩基がシトシンの場合と比較して、メチルシトシンの場合の標的DNAでは未修飾の標的DNAが有意に多く残存していることが確認できた。従って、TWJ構造を形成することで、特定のシトシンを選択的に化学修飾し、DNAのメチル化をピンポイントで検出できる可能性が示された。 2.2本鎖DNA中のシトシンのメチル化検出法の開発 実用的なメチル化検出法を確立するためには、2本鎖DNA中のシトシン周辺にプローブDNAを結合させてTWJを形成させる必要がある。上記1の検討に用いた54merの標的DNAとその相補鎖を混合した2本鎖標的DNAにTWJ形成用のプローブDNAを大過剰(100倍以上)に加え、1と同様の実験を行ったところ、2本鎖標的DNAのシトシンのメチル化をピンポイントで検出できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的DNA中の特定のシトシンがピンポイントで化学修飾されていることをリアルタイムPCRを用いて簡便に検出できることがわかり、さらに2本鎖標的DNAでも同様の実験に成功し、簡便なDNAメチル化検出法確立の可能性が示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
検出感度の向上を目指す。具体的には、血液0.1mLから得られるゲノム分子数に相当する1amol(アトモル)程度でのメチル化検出を目指し、PCRのサーマルサイクルの条件、プライマー配列などのリアルタイムPCR条件を検討する。さらに、ヒトゲノムサンプルでのメチル化検出を目指す。
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Research Products
(1 results)