2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌転移を抑制するmiRNAの標的タンパク質のプロテオーム解析による探索
Project/Area Number |
22501040
|
Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
原 康洋 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部プロテオームリサーチプロジェクト, 研究員 (70568617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝長 毅 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部プロテオームリサーチプロジェクト, プロジェクトリーダー (80227644)
松原 久裕 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20282486)
石濱 泰 慶應義塾大学, 政策メディア研究科, 准教授 (30439244)
|
Keywords | プロテオミクス解析 |
Research Abstract |
micro RNA(miRNA)は遺伝子発現を制御する短いnon-coding RNAである。近年mi RNAが癌の発生、転移に関与するとの報告が多く見られるが、その標的となるタンパク質は遺伝子の配列に基づいて推測されているに過ぎない。そこで本研究では、癌転移抑制効果を有するmi RNAに焦点を絞り、最新のプロテオーム技術を用いたそれらmi RNAの標的タンパク質の探索を行った。平成22年度は乳癌細胞の転移を顕著に抑制することが報告されているmicro RNA-31(miR-31)に着目した。miR-31のターゲットは複数が予測されているが、それらが実際にmiR-31による抑制を受けているかは十分な実験的検証がなされていない。そこで我々はmiR-31の標的となるタンパク質を探索し、それら標的タンパク質による癌転移の制御メカニズムを解明することを目的としたプロテオーム解析を行った。転移性乳癌細胞株MDA-MB-231にレンチウイルスベクターを用いてmiR-31を導入し、miR-31導入細胞とコントロールベクター導入細胞からタンパク質を抽出した。それらサンプルをTrypsin消化後、iTRAQ試薬による標識を行い、SCXカラムによって分画しLC-MS/MSにかけることによりタンパク質の同定と発現量の差異解析を行った結果、miR-31導入細胞で発現が減少している複数のタンパク質を新たに同定できた。本研究によりmiR-31の標的となっている新規の転移促進タンパク質が確定できれば、予後予測マーカーの開発あるいは乳癌の転移を抑える治療法の開発につながると期待される。
|
Research Products
(3 results)