2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22501043
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金森 昌彦 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (20204547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 剛敏 国立大学法人富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (20377302)
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Keywords | 骨肉腫 / 培養細胞 / ヒト肉腫 / 免疫染色 / 分化誘導 / アポトーシス誘導 |
Research Abstract |
本年はMG63骨肉腫細胞株を用いて研究目的に記載のフラホノイド11種類を用い、抗腫瘍効果を検討した。形態学的変化、MTT(CCK-8)アッセイによる増殖能の変化、アルカリフォスファターゼ、蛋白量、DNA量、LDHの定量および分化誘導効果とアポトーシス変化について確認した。その結果、有意な細胞形態変化が認められたものはフラボノール(ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン)、フラボン(ルテオリン)、フラバノール(ECG,EGCG)、イソフラボン(ゲニステイン)の7種類であった。フラボノールでは細胞の多角形化と細胞突起の伸長が認められ、フラバノール、フラボン、イソフラボンではその変化が顕著であった。これらの細胞ではヘキスト33342による蛍光染色で、核の断片化が確認された。フラボノール群では10uMケルセチン、50uMケンフェロール、30pMのミリセチンの添加により有意な細胞増殖抑制が認められ、用量依存性であった。一方、細胞内ALP活性はケンフェロール(20uM以上)、およびケルセチン(40uM)で上昇を認めた。しかし、各化合物においてLDHによる細胞毒性評価、蛋白量測定では有意差はなく、ケンフェロールおよびケルセチンには骨肉腫細胞に対する増殖抑制作用とALP誘導作用の両方が確認された。フラバノールでも同様な結果が得られており、PC-buffor法による細胞周期の検討ではDNA合成期の減少とともに、sub-G1の増加が認められた。さらにAnexin-VとPEを用いたtwo color解析でもアポトーシスの変化が認められた(特にEGCG 50μM以上)。以上より今回の実験に用いたフラボノイド11種類中7種類において骨肉腫細胞に対するアポトーシスおよび分化誘導効果を持つ可能性が示唆された。その作用は特にフラボノールとガレート基のついたフラバノールに顕著な効果があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、当初に記載した目的に準じて実験が遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
フラボノイドによる分化誘導研究について、次年度は細胞株を増やして実験を遂行する予定である。 また次年度は肉腫のCGH解析も進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)