2012 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸パルミチン酸アミド体を使った大腸がん分子標的療法の開発
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22501050
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
酒々井 眞澄 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30347158)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脂肪酸誘導体 / 抗がん剤 / 大腸がん / リード化合物 / 構造活性相関 / 皮下移植モデル / ED50 / pKa |
Research Abstract |
本研究の最終ゴールは、大腸がん治療の薬剤カテゴリー創製である。具体的には、デセン酸を初期リードとしてヒト大腸がん細胞株に対するIC50値を指標に構造活性相関(QSAR)により至適炭素数が16であることを突き止めた後、パルミチン酸を後期リードとしてその誘導体を設計、合成し構造の最適化を行った。化合物コード903(特願2010-079755, H25.1.15審査請求)は今のところ細胞レベルでの抗がん効果が最も強く、正常細胞に対する毒性が低いのでこれを用いて個体レベルでの効果検証を行った。ヌードマウス皮下移植モデルを用いて0.05 mg/kg で10日毎の腹腔内投与にて薬剤を投与し腫瘍の生着と肉眼的増殖を確認し薬剤を投与した。実験開始後3週目より腫瘍体積抑制効果を認め、犠牲死(6週目)まで抑制効果が持続した。肉眼的には薬剤投与群の腫瘍は中心部が壊死に陥り、組織学的には中心部の腫瘍細胞に壊死像、karyorrhexis、picnosisなどの所見を認めた。実験期間中に有意な体重減少は認めなかった。本モデルでのED50値(effective dose)はおおよそ0.025~0.05 mg/kgと見積もられた。化合物コード903のpKaおよびcLogDを計算した結果、経口投与した場合に消化管より吸収されることが予測された。化合物コード903の抗がん効果は5FUより強く、腫瘍選択性が高いという優れた特性を持つため大腸がんを含む消化器がん治療の新たなリード化合物になりうると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)