2011 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙者肺扁平上皮癌におけるメタロプロテアーゼによるEGFR―TKI耐性機構の検討
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22501051
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
白井 崇生 昭和大学, 医学部, 助教 (90384362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 利光 昭和大学, 腫瘍分子生物学研究所, 講師 (40384359)
大森 亨 昭和大学, 腫瘍分子生物学研究所, 准教授 (10276529)
廣瀬 敬 昭和大学, 医学部, 准教授 (40307038)
足立 満 昭和大学, 医学部, 教授 (10095870)
門倉 光隆 昭和大学, 医学部, 教授 (60214417)
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Keywords | EGFR / ADAM17 / 肺癌 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
難治性癌である肺扁平上皮癌は、上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor: EGFR)の高発現が報告されている。我々は、本研究において「炎症性サイトカインによるEGFRの発現の上昇と活性化が、肺扁平上皮癌の発症に寄与している。」との仮説を立て、その機序の解析を通じて、難治性な肺扁平上皮癌の新たな治療戦略の確立を検討する事を目的とする。 我々は、「喫煙者でEGFR発現の多い肺扁平上皮癌は、ADM17活性を介してEGFRを始めとするErbB受容体ファミリーのリガンド切断をすることによりErbB受容体を恒常的に活性化し、EGFR-TKI耐性あるいは他の抗癌剤耐性をもたらしているのではないか。」との仮説を立て、今後の研究支援期間を通じて基礎と臨床の両面より立証を試みる。本研究は、マトリックスメタロプロテアーゼの1種であるADAM17による抗癌剤耐性機序の解明を目的とする。喫煙者の肺扁平上皮癌症例は、既存の抗癌剤やEGFR-TKIをはじめとする分子標的治療に対し抵抗性であり、肺癌の予後の改善には、喫煙率の低下はもとより、喫煙者肺癌に対する新たな治療戦略の確立が急務である。近年の癌関連学会では、喫煙者・非喫煙者で肺癌の生物学的特性が異なることが示唆されている。このため、本研究には、喫煙者の肺扁平上皮癌症例と非喫煙者の肺腺癌を比較することにより、喫煙者の肺扁平上皮癌の特性を更に明らかにし、この難治性癌の新たな治療指針に重要な示唆を与えるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、手術検体を用いる。さらに、ホルマリン保存ではなく冷凍保存された検体をす使用する必要がある。そのために、症例の集積のために新たに手術に供される患者から同意を取得する必要があり、手術数の限られた中で症例集積が若干遅れがちである。
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Strategy for Future Research Activity |
手術症例の関係から症例の集積が若干遅れがちであるが、来年度には、学会等に中間報告ができるように計画する。また、細胞株の分野の研究は手術と関連なく進捗しており、細胞株と患者検体の両面から機能解析に望むつもりである。
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Research Products
(5 results)