2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスベクターを用いた膵標的化抗体の作製と膵癌治療法の開発
Project/Area Number |
22501054
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 俊裕 福岡大学, 医学部, 講師 (00398314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 正太 福岡大学, 医学部, 准教授 (90549338)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 |
Research Abstract |
膵癌細胞と抗体と架橋することが出来る遺伝子改変したアデノウイルスベクター:Adv-FZ33を用いて遺伝子導入効率が高まるモノクローナル抗体を作製、スクリーニングを行い、癌細胞に対して標的化可能な表面抗原と抗体との組み合わせ探索を行っている。既に同方法で20クローンの抗体を樹立している。これらの抗体と一緒にAdv-FZ33を膵癌細胞株に感染させるとAdv-FZ33単独の感染に比べて、約100倍のレポーター遺伝子を導入できることを確認している。これら得られた20種類のうち7種類の抗体に対する抗原の同定に成功した。内訳はCD71に反応する抗体が6種類であり、残りの抗体クローン名F2-27は、膵癌細胞のみならず胃癌、前立腺癌、肺癌細胞株にも反応したが、正常コントロールとして用いた細胞線維芽細胞には反応を示さないものであった。CD71はII型膜糖タンパクで、鉄イオンの細胞内への取り込みや細胞の成長に関与し、増殖能が高い細胞ではCD71は発現が増加し、非分裂細胞では減少もしくは見られない。活性化された代謝や急速な成長に伴い、多くの鉄イオンを必要としているため、グリオーマ、膵臓癌、大腸癌などでCD71が過剰発現していることが報告されている。従って、癌標的化の対象にする予定である。F2-27に対する抗原はTOF-MASSによる解析から**であることが判明した。F2-27は腫瘍選択制に優れているため、さらにIn vitroでの抗原(抗体)特異的な治療実験を行う予定である。
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