2012 Fiscal Year Annual Research Report
フルボ酸鉄による沿岸性植物プランクトン鉄摂取増殖機構
Project/Area Number |
22510001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久万 健志 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (30205158)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 河川フルボ酸 / 溶存有機錯体鉄 / 無機3価水酸化鉄 / コロイド状鉄 / 沿岸性珪藻 |
Research Abstract |
フルボ酸を含まない河川水に比べ、フルボ酸を高濃度含む河川水中には様々な化学形態の鉄(粒状鉄(>0.22 um size)、溶存鉄(コロイド状鉄+真の溶存鉄:<0.22 um)、真の溶存鉄(<0.025 um))が高濃度含まれており、フルボ酸が3価鉄と溶存有機錯体鉄を形成し、溶存鉄を安定に存在させる役割を果たしている。またフルボ酸を多く含む河川では、水温の低下する冬に高濃度の2価鉄が検出される。これは、下流域の湿地や堆積物からのフルボ酸及び溶存2価鉄の直上水への供給があり、冬場の低水温 (0~5°C) 環境での2価鉄から3価鉄への酸化速度が極端に遅くなったためである。また3価鉄と溶存有機錯体鉄を形成するフルボ酸の存在は、2価鉄が酸化し粒状3価水酸化鉄にならずに溶存3価鉄有機錯体を形成するために重要である。河川水の中で、真の溶存鉄(フルボ酸錯体鉄)を多く含む溶存鉄及び真の溶存鉄が少なくコロイド鉄を多く含む溶存鉄について、沿岸性珪藻-栄養塩培地に添加し、珪藻細胞密度及びクロロフィルa濃度の経時変化を測定した。その結果、フルボ酸錯体鉄を多く含む溶存鉄を添加した方が、無機3価鉄を添加したものより細胞密度及びクロロフィルa濃度は急激に増加した。しかし、コロイド状鉄を多く含む溶存鉄を添加したものは、無機3価鉄を添加したものより細胞密度及びクロロフィルa濃度の増加は低かった。これは、フルボ酸錯体鉄は3価鉄の加水分解で形成される3価鉄由来の無機3価水酸化鉄より生物利用可能な鉄を多く供給できるためである。しかし、2価鉄が酸化し形成されたコロイド状鉄(2価鉄由来の無機3価水酸化鉄)は、3価鉄由来の無機3価水酸化鉄に比べ生物利用能は低く、2価鉄由来の無機3価水酸化鉄の溶解速度が低いためである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)