2011 Fiscal Year Annual Research Report
空間情報を用いた鳥海山沿岸海域における地下水の湧出メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
22510002
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
景山 陽一 秋田大学, 工学資源学研究科, 准教授 (40292362)
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Keywords | リモートセンシング / 海水表面情報 / 沿岸海域 / 鳥海山 / 伏流水 / ALOS / PALSAR / AVNIR-2 |
Research Abstract |
本研究は,鳥海山からの地下水が伏流水として湧出している日本海沿岸海域を対象とし,異なる種類のセンサで取得されたリモートセンシングデータを用いて,対象地域における海底地下水の湧出メカニズムを明らかにするための検討を行った。具体的には,人工衛星ALOSにより取得されたAVNIR-2データおよびPALSARデータ間の海水表面特徴の関連について解析を行った。また,リモートセンシングデータと各種パラメータの関連についての検討を行った。次に,現地調査や,水文学の専門家および水産業従事者へのヒアリングを行い,水質の測定や対象地域における地形状況を把握した。得られた成果を以下にまとめる。 (1)対象地域における地質は3つに大別されている。その形成時期の違いに着目し検討したところ,地質の形成時期と地下水とは関連があり,新しい溶岩である程,海底地下水の湧出する可能性が高い結果を得た。また,その状況はAVNIR-2データおよびPALSARデータのどちらを用いた場合においても,形成されたクラスタやその種類により把握できることを明らかにした。 (2)PALSARデータのテクスチャを用いて分類を行う場合,k-means法でも良好な結果を得ることができる。しかしながら,最適なkの値を事前に設定する必要があった。一方,ISODATAを用いて分類を行ったところ,kの設定などの前処理が不要であり,かつ良好な結果が得られることを明らかにした。 (3)異なる季節に取得されたPALSARデータの併用による湧出地点の解析結果は,季節変化に伴う湧出量変化を検出するための特徴量として有用であることが明らかとなった。 (4)本研究で得られた知見は,他の湖沼(玉川が流入する宝仙湖など)における水質解析にも適用できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ALOSAVNIR-2およびPALSARデータを用いて行った検討結果は,口頭発表5件,国際シンポジウム2件,学術論文2件として公表した。また,多くの議論を他の研究者と積極的に行い,その過程で得られた知見は速やかに以後の検討にフィードバックすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ALOSAVNIR-2データおよびPALSARデータから得られる特徴を用いて,海水表面情報を効果的に抽出するアルゴリズムを開発する。また,季節により湧出量は変化することが報告されているため,リモートセンシングデータを用いて,その季節的な変化の程度を明らかにする。
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Research Products
(8 results)