2012 Fiscal Year Annual Research Report
不織布型固相抽出材を用いる降水中微量元素の多点観測用オンサイト固定化システム
Project/Area Number |
22510007
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
加賀谷 重浩 富山大学, その他の研究科, 教授 (50272894)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境分析 / 降水分析 / 微量元素定量 / 固相抽出法 |
Research Abstract |
微量元素のオンサイト固定化システムに関する検討と,不織布型固相抽出材のもととなるキレート繊維のさらなる能力向上を目指しキレート繊維調製法として化学修飾法の適用について検討し,以下の成果を得た。 1.微量元素のオンサイト固定化システムに関する検討:市販の吸引ろ過用器具(ろ紙直径47mm用)に直径47mm不織布型固相抽出材を装着した。なお,粒子状物質の除去を目的とし,メンブレンフィルター(親水性PTFE製,孔径0.45 um)を固相抽出材の上に設置した。このシステムに降水を導入したところ,自然流下することが確認された。固相抽出材と降水との接触時間は,ドレンパイプの高さを調節することにより制御することが可能であったが,降水量の変動による調節が必要であり,この点が課題であることが明らかになった。しかしながら,システムは単純かつ安価にて構築できることから,多点観測にも適用でき,微量元素の湿性沈着に関する二次元的情報を取得できる可能性を有していた。 2.化学修飾法によるキレート繊維の調製:アクリル繊維をペンタエチレンヘキサミン・水・1-プロパノール混合溶液に浸漬して加熱することにより,ペンタエチレンヘキサミンを導入したキレート繊維を調製した。この繊維の24元素に体する捕捉特性を評価したところ,酸性領域中で金,パラジウム,白金などを選択的に捕捉可能であることを見いだした。また,pH上昇とともに遷移金属元素も捕捉可能であった。このキレート繊維に導入されたペンタエチレンヘキサミンのカルボキシメチル化を試みたが,元素捕捉挙動に顕著な変化は認められなかった。このことから,ペンタエチレンヘキサミンの一級アミン部位がすべて繊維中のニトリル基と反応し,カルボキシメチル化されにくくなったのではないか,と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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