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2011 Fiscal Year Annual Research Report

海洋と南極湖沼における硫黄循環と窒素循環に対する嫌気呼吸の役割の解明

Research Project

Project/Area Number 22510013
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

松崎 雅広  広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50294517)

Keywords環境変動 / 水環境 / 細菌 / 嫌気呼吸 / 気候変動 / 硫黄循環 / 窒素循環
Research Abstract

本年度は以下の解析を行った。
1.淡水湖の細菌群集構造解析
ラングホブデのぬるめ池、スカルブスネスの地蔵池、菩薩池、如来池、仏池、親子池、孫池の細菌群集構造解析を行った。データベース解析からはすべての淡水湖においてThiomicrospira sp.が優占属となり全クローンの48-86%を占めていた。Thiomicrospira sp.は北極や南極の海洋とアメリカのマクナード基地周辺の滝に生息する。一方、塩湖にも出現したMarinospirillum sp.などの菌属も数は少ないながら共通に出現した。この結果は海水由来の細菌属が淡水に変化した後でも生息し続けていることが示唆された。しかしながら、その出現頻度は低く、Thiomicrospira sp.が優占する単純な細菌群集構造を形成していた。淡水湖と塩湖には過剰に酸素が存在することから、これらの細菌群集構造の違いは塩分濃度の違いが原因であることが考えられた。
2.塩湖と淡水湖に出現する細菌属の系統解析
淡水湖と塩湖に出現する細菌属の塩基配列を用いて両池に出現する細菌の系統の違いを調べた。淡水湖のみに出現したThiomicrospira sp.は塩湖と淡水湖に共通に出現するMarinospirillum sp.やMarinobacter sp.に近縁であった。また、塩湖にのみ出現した細菌属はそれ自身を含む単独のクレードに分類され、しかも未培養クローンとして登録されているものが大半であった。このことはこれらの細菌が現在までに培養分離されていない細菌種であるか、もしくは氷河期後に大陸が上昇し取り残された細菌がそのまま南極湖沼において生き続けてきた古い細菌種である可能性も考えられた。
今後は2012年4,月に共同研究者から送付される試料を解析し、新奇の培養可能細菌を分離する予定である。これらが単離培養できれば、新奇細菌であることが予想される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

広島大学大学院理学研究科で行われた生物学オリンピックの役職になり、会議の参加や宿泊等にあたった。宿泊業務中に思った以上に時間を取られてしまい、確認を怠っていたら培養中の細菌がカビによってほぼ死滅してしまった。その結果、培養を再度行うことになり、約2週間の遅れを生じた。現在は、その遅れを取り戻すべく研究を進めている。

Strategy for Future Research Activity

異動により研究環境がまったく変わってしまった。前任者の物品が大量に残っており、まずは研究スペースの確保を行う。さらに移動機器の設置等を行って研究室の立ち上げを進め、研究を行う環境作りを早急に行いたい。できるだけ早くに実験環境を整え、必要不可欠な機器の購入や、購入できない機器については他大学等と連携し、研究を推進していきたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] シロイヌナズナにおける転写因子EPR1の新奇機能の解析2011

    • Author(s)
      松崎雅広, 他3名
    • Organizer
      日本植物学会中国四国支部第68回大会
    • Place of Presentation
      香川県高松市香川大
    • Year and Date
      2011-05-14

URL: 

Published: 2013-06-26  

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