2011 Fiscal Year Annual Research Report
半乾燥草原における二酸化炭素フラックスの多地点移動観測
Project/Area Number |
22510017
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
中野 智子 中央大学, 経済学部, 教授 (70295468)
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Keywords | 光合成速度 / 生態系呼吸速度 / 半乾燥地 / 草原生態系 / 移動観測 / モンゴル国 |
Research Abstract |
大気中二酸化炭素(CO2)濃度の変動をより正確に予測するために、陸上生態系によるCO2の吸収(光合成)と放出(呼吸)を高い精度で把握することが求められている。そこで本研究では、広大な面積を持つにもかかわらずこれまでデータが不足していた半乾燥地の草原生態系に着目し、CO2フラックスの広域空間分布を多地点移動観測という方法で実測し、さらにその制御要因を定量的に評価することを目的として研究を行っている。 平成23年度は、北緯46~48度、東経105~110度の範囲を対象として、8月上旬および9月中旬にそれぞれ10日間程度の現地観測を実施した。測定項目は、CO2フラックス、気象要素(気温・相対湿度・気圧・降水量・光合成有効放射)、土壌要素(地温、土壌水分量、土質)、植物バイオマスである。8月上旬には観測対象地域の西部から中央部にかけておよそ1000kmを移動しながら3地点での測定を行い、また9月中旬には、東部の地域を中心に800kmを移動しながら2地点での測定を行った。その結果、光合成速度・生態系呼吸速度のどちらにおいても、その空間分布は植物の地上部バイオマスによって大きくコントロールされているということが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定したとおりの現地観測を実施することができ、概ね良い結果が得られた。また結果を学会で発表し議論することができ、順調に進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、本研究の最終年度にあたる。昨年同様、夏季に現地観測を実施するほか、これまでに得られた観測データの解析を進め、研究成果をとりまとめていく予定である。
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Research Products
(6 results)