2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市、海洋、山岳大気中の小イオン濃度に与えるエアロゾル、ラドン、宇宙線の影響
Project/Area Number |
22510019
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
三浦 和彦 東京理科大学, 理学部, 准教授 (00138968)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 勝裕 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40408703)
|
Keywords | エアロゾル / 小イオン / ラドン / 宇宙線 / 粒子生成 / 富士山 / イオン誘発核生成 |
Research Abstract |
近年、宇宙線強度と雲量の間に相関があることが指摘されたが、その原因としてイオン誘発核による粒子生成が考えられる。イオン誘発核生成のメカニズムを明らかにする事を目的として、都市大気(東京),山岳大気(富士山頂(3776m)、太郎坊(1290m))、白鳳丸航海(太平洋)において、小イオン濃度と同時に、エアロゾル粒子の粒径分布、ラドン濃度、宇宙線強度を測定し、その変動要因を調べた。 ・2010年11月から6月にかけて、新宿区神楽坂において小イオン濃度、エアロゾル粒子の粒径分布、ラドン濃度の同時観測を行った。3月11日の原発事故の影響が電気伝導率に表れた。 ・2台のイオンカウンタの器差を求め、インレットの損失を調べた。 ・7月中旬から8月末まで、富士山山頂と太郎坊において同時に、小イオン濃度、エアロゾル粒子の粒径分布、ラドン濃度を測定した。その結果、小イオン濃度は太郎坊では夜間高く日中低い日変化が確認されたが、山頂では逆の傾向であった。今のところ、その原因については良くわからず、他の要素との比較により解明して行く。イオン濃度の増加と新粒子イベントとの関連性は2011年8月14日から15日の深夜に1度のみ見られた。この時、人為起源である一酸化炭素濃度に比ベてオゾン濃度が高く空気の混合比も低くなったことから、成層圏のエアマスが降下してきた可能性が考えられた。また既存粒子濃度が低かったことも要因の一つと思われる。 ・2011年11月~3月に行われた白鳳丸航海にて、海洋大気中の小イオン濃度を測定した。現在解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白鳳丸航海は年度末まで行われたので、データの解析は終わっていない。ラドン測定器にトラブルが起こり、十分なデータを取得することができなかった。 太郎坊での係留気球観測は、2011年は悪天候のため十分なデータを取得することができなかったが、翌年追加観測を行った。 その他のデータは予定通り取得することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
白鳳丸航海のデータ解析を早急に行う。 海洋大気のデータが少ないが2012年度は白鳳丸観測の予定がない。そこで、房総半島の南端に位置する東京理科大学館山研修所において観測を行う予定である。
|
Research Products
(27 results)