2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒートアイランドの形成に対する人為起源エアロゾルの温室効果の実態解明
Project/Area Number |
22510021
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
清野 直子 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (70354503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 暁典 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (10442740)
山崎 明宏 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (40278106)
内山 明博 気象庁気象研究所, 気候研究部, 室長 (50354460)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ヒートアイランド / 都市気象 / エアロゾル |
Research Abstract |
1.都市における放射量の精密観測 都市における大気からの下向き赤外放射量の高精度データ取得を目的として,東京家政大学(東京都板橋区)屋上での計測を継続した.雲の影響を受けない快晴条件下で観測された赤外放射量について,郊外の観測点である館野(高層気象台)の観測データとの比較を行った.一時的な雲の通過による影響も除くため,東京における赤外放射量の前1時間内の変動が小さいことを条件に加えた雲なし条件下の135時刻を抽出した.これらの時刻での東京家政大学屋上(東京)と館野での前1時間下向き赤外放射量は,東京のほうが館野よりも平均で3Wm-2ほど高く,有意な差があるといえる.この差の原因として,まず大気下層の気温の違いが挙げられるが,両地点の下向き赤外放射量の差と地上気温差との相関は時刻によって異なっていた.これは,気温の鉛直構造の日変化特性が両地点で異なることを反映したものだと考えられる. 2.放射伝達モデルによる下向き赤外放射の定量評価 中程度の波長分解能を持ち,赤外領域での吸収・散乱過程を含めた鉛直1次元放射伝達モデルにより,東京とつくばでともに快晴だった2011年および2012年の約100事例について放射伝達計算をおこなった.気温および水蒸気の鉛直分布にはつくばにおいて観測されたデータを入力条件として与えた.エアロゾル特性モデルOPACにおける都市に相当するエアロゾルの光学特性を与えて計算した場合,エアロゾルの影響がないと仮定して計算された下向き赤外放射量に比べ,3Wm-2程度地上における放射量が多くなるという結果が得られた.いっぽう.大気汚染常時監視データから,東京と館野における地表付近のエアロゾル濃度の違いは小さく,両地点のエアロゾル量の差に起因する下向き赤外放射量の違いは,上述の計算結果よりも小さいと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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