2012 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動と総人口減少の複合要因による沿岸域脆弱性変化の推定と適応策
Project/Area Number |
22510025
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
信岡 尚道 茨城大学, 工学部, 准教授 (00250986)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 沿岸域管理 / 高潮 / 人口成長 / 海面上昇 / 気候変化 |
Research Abstract |
平成23年度東北地方太平洋沖地震津波を受けて、各地での防御と減災レベルが定められつつある.前者の防御の設計には、既往最大の高潮・高波または数十年から百数十年の再現期間の津波が対象となる.茨城県は平成24年8月下旬に、目指すべき防御レベルも公表した.防御レベルと高潮について再検討した.大洗での1984年から16年間の潮位観測値を用いて極値統計解析をおこない,再現期間2万年までの高潮を推定した.大洗での各再現期間の高さになる高潮を、伊勢湾台風の時系列変化と風の強度を比例的かつ試行錯誤的に調整して、発生させた。それら高潮による浸水計算結果は、上述の目指すべき防御レベルであれば、越流が起こらないこと、海面上昇または台風強度が10%ほど増加したとしても、越流が起こらないことがわかった.これは設計に、波の打ち上げや越波までを考慮しているからである.ただし、破堤などで防御機能を喪失すると、河口付近などの低平地で浸水域が拡大する. 再現期間1000年程度の高潮による防御機能を喪失した場合の浸水域は,茨城県が改定した津波浸水想定域と似たものとなった.このことから、防御レベルの構築・維持,またレベルをこえた場合もしくは機能喪失の場合における減災対策が重要になる.後者には、住民などの避難が第一の対策である。茨城県の浸水想定域の将来人口はほとんどの地域で減少するが、高齢者の人口割合は高くなり,特に要避難援助者となりやすい75歳以上の人口割合が高くなる.つまり現在よりも,避難が困難になる可能性がおおいにある.高潮の場合には来襲予報が発表できるので、将来の人口変化に対応できる方策をたてられれば、継続的に避難は可能である。 残された課題として、防御レベル構築の実行性、越波による被害、破堤の考慮、そして高潮に対して防御方策が難しく一旦浸水がおこれば経済損失が大きい港湾背後地区の対策があげられた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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