2010 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼル排気ガスおよび黄砂由来化学物質暴露のバイオマーカー探索と健康影響評価
Project/Area Number |
22510027
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
道上 義正 金沢大学, 環境保全センター, 准教授 (90190678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545)
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Keywords | 多環芳香族炭化水素類 / アレルギー疾患 / 大気汚染 / 環境 / 健康影響 / 黄砂 |
Research Abstract |
本年度は,黄砂によるアレルギー疾患の悪化やその要因を検討する疫学研究を行うために,大気中多環芳香族炭化水素類(PAH)分析系の確立を目指した。 ハイボリュームエアサンプラーを用いてガラス繊維フィルターに24時間捕集した粉塵を用いた。フィルター80cm^2を用いてPAHの超音波抽出に使用する溶媒を検討した結果,ジクロロメタンとベンゼンで抽出効率は同じであった。フィルター80cm^2を用いた場合使用する溶媒量も多く,かつ,1サンプルずつ濃縮操作を行っていたので,時間がかかった。フィルター量,超音波抽出の時間,必要溶媒量,抽出回数を詳細に検討し,フィルター5cm^2でもPAHの分析を行えることが分かった。この場合,窒素噴霧により多くのザンプルの同時濃縮が可能なので,10サンプルのPAH抽出を約7時間で行うことが出来た(従来の方法を用いた場合,3サンプル程度)。抽出したPAHを蛍光検出器付き高速液体グロマトグラフィーにより分析する条件も決定した。1サンプルの分析に90分かかるが,オートサンプラーを使用することにより,効率的にPAH分析を行うことができる。 黄砂とアレルギー疾患の関連を検討する疫学研究では,毎日大気粉塵を捕集してPAHを分析する予定である。効率良くPAHの分析を行う必要があり,本研究で確立したPAH分断法が有用である。 来年度は,黄砂によるアレルギー疾患の悪化やその要因を検討する疫学研究を本格的に開始する予定である。
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