2011 Fiscal Year Annual Research Report
南極地域におけるオゾンホール発生時の紫外線がヒト皮膚細胞に与える影響
Project/Area Number |
22510029
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
高橋 哲也 島根大学, 教育学部, 教授 (90325035)
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Keywords | 紫外線 / オゾンホール / 南極 / UVカット / 人工皮膚 / コラーゲン / 茶殻 / カテキン |
Research Abstract |
研究代表者らは、ヒト皮膚の替わりにコラーゲンシートを用いて、南極にてUVに及ぼすダメージを評価するユニークな実験を行っている。本研究では、特にオゾンホールが発生している春季とオゾンホールが発生していない秋季に着目し、サンプルの屋外曝露を行って分析を実施した。 曝露後のコラーゲンシートから得た抽出液中の総タンパク質量と末端アミノ基濃度を調べた。春季曝露と秋季曝露の場合を比較したり、同じオゾンホールの発生期間であっても短波長紫外線の量による比較を詳細に実施した。その結果、9月にはオゾンホールは発生しているものの、まだ太陽高度が低いために短波長紫外線が充分には地上に届かない時期について考察するなど、その結果をより定量的にまとめることができた。 さらに、繊維製品でコラーゲンシートを覆った屋外曝露も行ったところ、オゾンホール発生時においても酸化亜鉛粒子は紫外線によるコラーゲン分子鎖の分解を有効に抑制できることなども、より定量的な報告をすることができるようになった。 これらの結果については、オゾンホール発生時のコラーゲンに及ぼす影響に関してはPhotochemical & Photobiological Sciences (The Royal Society of Chemistry)に投稿し、UVカット素材の防御効果に関してはPolymer Degradation and Stabilityに投稿した。両論文とも、査読審査の上、掲載が認められた。ともに、インパクトファクターが2を超える権威ある国際誌である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って実験を順調に実施している。但し、南極曝露において天候不良などもあり、部分的には計画を変更しているところもある。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りの実験計画で、平成24年度も実施する予定である。
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