2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹脂(プラスチック)原料への感作状況に関する実態調査
Project/Area Number |
22510036
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川本 俊弘 産業医科大学, 医学部, 教授 (60177748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 倫浩 産業医科大学, 医学部, 准教授 (00309965)
田中 政幸 産業医科大学, 医学部, 助教 (80412633)
|
Keywords | 樹脂 / プラスチック / アレルギー / 蛋白質付加体 / 化学物質 / IgG / ドットブロット |
Research Abstract |
平成22年度は樹脂(プラスチック)原料に対する特異的抗体を検出することにより、当該樹脂原料への曝露を評価する方法を開発した。まず、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの原料であるトルエン2,4-ジイソシアネート(TDI)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)、無水フタル酸(PA)、グルタルアルデヒド、ジアミノジフェニルエーテル等とヒト血清アルブミン(HAS)を37℃で48時間インキュベートした。その際バッファーのpHや、樹脂(プラスチック)原料とHSAの混合比を変えて種々の付加体を作製し、凍結保存した。一方、アレルギー専門医あるいは産業医を介して樹脂(プラスチック)原料が原因と推測されているアレルギー患者(気管支喘息、アレルギー性皮膚炎等)を10名程度と樹脂(プラスチック)原料に曝露されていない対照者を10名程度募集し、インフォームド・コンセントを得たのちに、採血(約20~30ml)を行い、血清を保存した。次に、ニトロセルロース膜に解凍したHSA-樹脂原料付加体反応液をスポットし、採取したアレルギー患者および対照者の血清と反応させ、さらに蛍光標識した抗ヒトIgE抗体あるいは抗ヒトIgG抗体(2次抗体)を用いて、HSA-樹脂原料付加体との結合を調べた。さらにニトロセルロース膜に診断用抗原と同時に種々の濃度のHuman IgEあるいはIgGをスポットし、発光強度を比較することにより特異的抗体を定量した。結果として曝露を受けた患者の血清は付加体と反応し、定量性も保証されたので、本方法を特許出願した。
|