2010 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動の緩和策・適応策における農業技術展開と持続的な農村形成に関する研究
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22510044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木山 正一 京都大学, 農学研究科, 助教 (20293920)
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Keywords | 地理情報システム / 環境負荷量 / 流域環境評価 |
Research Abstract |
気候変動が農業に与える影響を地域レベルで評価するため、以下に示す通り係る影響因子の抽出とそのデータベースを作成した. (1)農業活動インベントリの整理 主に稲作を対象とし、コメ収量に対する影響因子を気象、栽培技術(保全型農業を含む)とし、生産活動において環境中に排出される温室効果ガス、水質汚濁物質についての排出負荷原単位を統計既存研究情報に基づいてまとめた.ただし施肥における温室効果ガス排出については、対象地域において温室効果ガス排出が有意とみなせない先行研究結果に基づいて環境負荷因子として取り扱わないこととした.これらは農作物生産に要する土地、その他資源(水利施設に起因する地域用水賦存量を含める)変数として、後のCGEモデルに用いる資源や排出量に関する変数とした. (2)地理情報システム(GIS)を援用した地域環境、社会、経済情報のデータベース化 過疎化、高齢化が危惧される農村地域を対象として、流域の環境社会経済システムモデル構築のための長期データベースを構成する大気、水環境負荷源となる民生、産業部門の規模推定を行った.規模推定では、作成したデータベースは各種資料の定義の違いから、地点負荷情報が統一されていない.そこでGISシステムにより3次メッシュを用いて各種負荷源データベースを統合する作業を行い、過去30年分の環境負荷量を流域内任意地点において評価できるシステムを開発した.特に産業活動規模の推定では小地域レベルにおける精度が要求されるが、非公表データ取り扱いが問題となる.従来RAS法により非公表データ部の推定が行われるが、推定された生産額は小地域別の事業所数順位と整合しないことが明らかとなった.そこで事業所数を重み付けとする乗数法を定式化し、妥当な推定結果を得た.
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