2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアRNAポリメラーゼ転写反応における酸化DNA損傷の影響
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22510060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉岡 功 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60335396)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / RNAポリメラーゼ / 酸化DNA損傷 |
Research Abstract |
DNAは遺伝情報を担う重要な物質であり、生命が正常に営まれるためには安定にDNAを維持しなければならない。しかしDNAは放射線、紫外線、化学物質などの外的要因、および細胞の代謝過程で発生する活性酸素などの内的要因により絶えず損傷を受けている。 これらのDNA損傷は、細胞死や突然変異を誘発し、ひいては老化・がん化等の原因になる。 細胞内のエネルギーを生産するミトコンドリアにおいて、その大量な酸素消費から多くの活性酸素が生じ、ミトコンドリアDNAに多くの酸化DNA損傷を導くことが容易に想像できる。また事実その酸化DNA損傷の存在が証明されている。細胞はこの損傷の多いミトコンドリアにおいてどのように転写反応を進めるのだろうか?またどのように損傷を修復し機能を回復させるのだろうか? それらを調べるために、ミトコンドリアのRNAポリメラーゼの転写伸長反応が損傷によってどのような挙動を示すか?精製したミトコンドリアRNAポリメラーゼおよび損傷DNAを有するDNAテンプレートを用いて生化学的手法により解析した。 酸化DNA損傷8-オキソグアニン、チミングリコール、または塩基脱離部位を含むDNAテンプレートに対して、プライマーRNAを対形成させ複合体を形成した後、 ミトコンドリアRNAポリメラーゼによりRNA合成を観察した。その結果、ミトコンドリアRNAポリメラーゼは、8-オキソグアニン、チミングリコールを乗り越えることがわかった。さらにそれぞれの損傷において変異の導入はほとんど観察されなかった。一方塩基脱離部位および紫外線損傷により生じるピリミジンダイマー、6-4光産物においては、ミトコンドリアRNAポリメラーゼの転写の停止が観察された。ミトコンドリアRNAポリメラーゼは生体内で生じるDNA損傷により対応しているのかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Miscoding properties of 8-chloro-2'-deoxyguanosine, a hypochlorous acid-induced DNA adduct, catalysed by human DNA polymerases.2013
Author(s)
Sassa A, Kamoshita N, Matsuda T, Ishii Y, Kuraoka I, Nohmi T, Ohta T, Honma M, Yasui M.
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Journal Title
Mutagenesis
Volume: 28
Pages: 81-88
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Identification of small molecule proliferating cell nuclear antigen (PCNA) inhibitor that disrupts interactions with PIP-box proteins and inhibits DNA replication.2012
Author(s)
Punchihewa C, Inoue A, Hishiki A, Fujikawa Y, Connelly M, Evison B, Shao Y, Heath R, Kuraoka I, Rodrigues P, Hashimoto H, Kawanishi M, Sato M, Yagi T, Fujii N.
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Journal Title
J Biol Chem.
Volume: 287
Pages: 14289-14300
DOI
Peer Reviewed
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