2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復因子の新機能-XPDを含む新規複合体のゲノム損傷応答における役割
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22510061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
関 峰秋 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40304167)
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Keywords | 修復 / 損傷 / 応答 |
Research Abstract |
XPD遺伝子は3種類の異なる遺伝病の責任遺伝子である。XPD遺伝子の変異がどの遺伝病を発症するかは変異によるが、その分子機構は不明の部分が多い。申請者を一員とする研究グループにより生体内において、XPDがTFIIHとは異なる新規の複合体を形成していることが明らかにされた。この新規複合体はXPD、MMS19、MIP18、CIAO1、ANT2よりなる。.この中でMMS19においては、その出芽酵母オルソログに関する研究報告が知られている。酵母mms19遺伝子欠損株は紫外線およびアルキル化剤に対し感受性を示すことが知られている。そこで、今回ヒトMMS19の機能解析を行った。これまでにMMS19遺伝子をshRNAによりノックダウンしたHeLa細胞は、クロスリンク薬剤をはじめ種々のDNA障害性薬剤に対し感受性を示すことを明らかにした。また、MMS1がFANCJ、RTEL1とインタラクションすることも明らかにした。両タンパク質共にFeSクラスターをもつことから、MMS19が鉄硫黄クラスターのアセンブリーに関与する可能性が強く示唆された。そこで、MMS19ノックダウン細胞におけるFeSクラスター合成能を検証した。MMS19ノックダウン細胞では、野生型HeLa細胞と比較して、顕著なFeSアセンブリー活性の低下が観察された。現在、MMS19のFeSクラスター付与を中心とした、鉄代謝におけるについて詳細を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を開始して2年が経過したが、MMS19がFeSクラスター合成に関与するとの作業仮説に基づき、種々のアッセイを行った。予想どうりの結果を得ており、すでにMMS19の細胞内機能について、大きな手がかりを既に得ているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
先にも述べたが、今後は、MMS19の細胞内機能について、FeSアセンブリーや鉄代謝における機能を中心として解析を進めていく予定である。すでに多くの知見を得ているが、今後は論文発表を念頭において種々の実験を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)