2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510066
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
安西 和紀 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (70128643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 謙一郎 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, チームリーダー (10297046)
高田 二郎 福岡大学, 薬学部, 教授 (90122704)
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Keywords | 放射線防護剤 / ビタミンE誘導体 / 経口投与 / 皮下投与 / 放射線かん治療 |
Research Abstract |
γ-トコフェロールジメチルグリシンエステル(γ-TDMG)をマウスに経口投与あるいは皮下投与したときの放射線防護効果を30日生存率から評価した。経口投与の場合は、有意な放射線防護効果は認められなかった。一方、腹腔内投与で効果が認められた濃度のγ-TDMGを全身照射直後に皮下投与した場合、腹腔内投与には少し劣るが有意な放射線防護効果が見出された。将来的なヒトへの適用を考えた場合、最も容易な経口投与が残念ながら効果がなかったものの、次善の投与方法である皮下投与が有効なことがわかったことは希望が持てる。 γ-TDMGをがんの放射線治療時の正常細胞の障害防護に使用しようとする場合、放射線のがん組織への効果を減じてしまうことは不都合である。そこで、この点を確認するために、マウスに腫瘍を植え付け、そこへ放射線を局所照射して腫瘍の成長抑制を引き起こしたときのγ-TDMG投与の有無による効果の違いを調べた。その結果、重粒子線局所照射直後にγ-TDMGをマウスに腹腔内投与しても、重粒子線による大腿部に植えつけた腫瘍の成長抑制を阻害することはなかった。すなわち、この結果は、γ-TDMGを放射線のがん治療時に使用しても、放射線によるがん細胞致死作用には影響を与えないことを示唆している。この結果がどのようなメカニズムによるものかは現在のところ不明であるが、投与したγ-TDMGが腫瘍組織に分布しているかどうかを調べる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
福島原子力発電所事故対応等で、共同研究者の時間が十分にとれず、マイクロアレイ法による遺伝子発現の実験が予定通りには進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度が最終年度であるので、遺伝子発現の結果を得ることを第1目標とする。さらに、実用化を視野に入れた研究を加速する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Radical-scavenging activity of 6-chromanol derivatives with various substituents2011
Author(s)
Ikuo Nakanishi, Keiko Imai, Tomonori Kawashima, Kiyoshi Fukuhara, Shunichi Fukuzumi, Kazunori Anzai, Toshihiko Ozawa, Masataka Mochizuki, Ken-ichiro Matsumoto
Organizer
SFRBM's 18th Annual Meeting
Place of Presentation
Atlanta, GA, USA
Year and Date
20111116-20111120
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