2012 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン暴露による新規のアカゲザル腎形成異常とその発生機序の解析
Project/Area Number |
22510073
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
福里 利夫 帝京大学, 医学部, 教授 (50134531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 芳久 帝京大学, 医学部, 准教授 (70334381)
近藤 福雄 帝京大学, 医学部, 教授 (80186858)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ダイオキシン / TCDD / 腎形成異常 / dysplasia / sox2 / prostaglandin / 次世代 |
Research Abstract |
内分泌かく乱物質の次世代への影響が問題になって久しいが、その実体や機序は未だ明らかでない。特にヒトやほ乳類におけるデータは乏しい。本研究で私どもは、胎生期および授乳期に2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)に暴露された仔アカゲザルに新規腎形成異常を高頻度に見出し、その障害部位の同定と発生機序を解析した。同時に、生殖器を含む他臓器の病変も評価した。83頭の仔アカゲザルを7年間経過観察し、比較的高用量(300ng/kgBW)のTCDDを投与された母体から生まれた仔アカゲザルにのみ29頭中17頭(58.6%)で腎病変の出現が認められた。30ng/kgBW群ではみられず、現在本邦で設定されているダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI、4 pg/kg/日)の妥当性を示唆していた。この腎病変はヒトのrenal dysplasiaに近い病変と判断され、TCDDによる腎障害としてこれまで報告されていない病変であった。ネフロン単位の脱落および形成不全とともに、血管内膜の病変が同定された。腎全体におけるレニン・アンギオテンシン系の異常を示す所見はなかった。しかし、生後早期死亡例の腎内動脈内皮細胞および緻密斑におけるCOX-2、CYP1A1の発現増強が認められ、腎病変の発生機序にCOX-2-prostaglandin系が関与している可能性を明らかにした。腎組織内mRNA 及びmicroRNAの網羅的解析結果は腎病変の病態を反映していた。腎病変は、歯の形成異常を伴う例に多くみられたが、唾液腺病変あるいは骨組織の病変、及び生殖器病変や生殖能力との関連は明らかでなかった。 TCDDによる新規腎形成異常を明らかにし、COX-2-prostaglandin系が関与する可能性が示した。また、本邦における耐容一日摂取量の妥当性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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