2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境化学物質と紫外線の複合作用により生成する変異原の解析とその抑制法
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22510075
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
太田 敏博 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (10266893)
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Keywords | 光遺伝毒性 / 変異原性 / 紫外線 / 環境科学物質 / たばこタール |
Research Abstract |
環境化学物質と紫外線との複合作用で新たに生じる変異原性について研究を進めている。タバコタールには多環芳香族炭化水素やニコチンなど生体内で代謝されて変異原性を示す物質が存在することはすでに報告されているが、副流煙タールに近紫外光(UVA)照射することでこれまで知られていなかった変異原憐が現れることを見いだした。そのメヵニズムを明らかにすることを目的とする。昨年度は、受動喫煙として問題となるタバコの副流煙タールに紫外線(UVA)を照射する事で新たに現れる変異原性について解析を行った。光変異原性はWP2uvrA/pKM101株で検出されたが、TA100株では見られなかったことからA:T塩基対での置換変異が起きていると推定された。また、あらかじめUVA照射したタールでは変異原性は検出されなかった。 これらの結果を考察して、活性酸素種が関与していると推定した。そこで、ゲノムDNA中の8-ヒドロキシデオキシグナノシン(8-OHdG)の生成量を定量することを試みた。UVA照射したタバコ副流煙タール存在下でUVA照射した大腸菌からゲノムDNAを抽出し、ヌクレアーゼP1処理、アルカリホスファターゼ処理を行ってヌクレオシドに分解した。このサンプルをHPLC-ECD分析により8-OHdGの定量を行った。しかし、UVA照射の有無にかかわらずDNA中の8-OHdGの量に有意な差は見られなかった。一つの原因として、抽出時における酸化の影響が無視できず、バックグランドの値が高くなっていることが考えられた。サンプル調整時に窒素置換するなどの工夫を加えて検討し、活性酸素種の関与について結論が得られるような実権をする必要があると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タールサンプルの調製、変異原性の評価についての実験はほぼ予定通り終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調にすすんでいるため、予定している実施計画に基づいて、本年度以降の実験を実施する予定である。
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Research Products
(6 results)