2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境発がん性物質によるタンパク質付加体の解析と生体影響
Project/Area Number |
22510076
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
高村 岳樹 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (50342910)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境変異原 / タンパク質付加体 |
Research Abstract |
本研究では,「発がん性物質によるタンパク質の修飾とその生体影響」を明らかにすることを目標とする。特に新規発がん性物質である3-ニトロベンゾアントロン(3-NBA)や大気中の発がん性物質として広く知られているベンゾピレン(以下BaP)などを用い,①タンパク質(アミノ酸)―発がん性物質の構造未知の付加体の化学構造の決定,②発がん性物質の「化学構造,反応性の違い」と「タンパク質付加体の生成条件,種類」との関連,③生体試料中の標的タンパク質および修飾アミノ酸の位置の同定といったこれまで未解明の問題を解明し,さらに④タンパク質付加体の細胞内観測を行うことを目的とする。昨年度までに3-NBAの代謝活性化体はアミノ酸のトリプトファン,システイン,リシンと反応を行うことが明らかとなった。またBINAPを用いるアリルアニメーションにより,リシン-NBA付加体の合成をおこない,その付加体がヒストンとNBAの活性体との反応により生じることも明らかとした。そこで,培養細胞(HepG2)を用いて,NBA処理後,総タンパク質を回収し,1N塩酸70度で処理した後,炭酸水素ナトリウム溶液で中和したものをLC-MSによりアミノ酸ーNBA付加体の解析を行った。しかしながら,タンパク質付加体として,リシンーNBAの明瞭なクロマトグラムピークを得ることができなかった。一方,他のアミノ酸付加体の存在する可能性があるため,それらの標準物質の合成等の必要性が明らかとなった。また,大気汚染物質であるフェナレノンは紫外線照射下で細胞分裂の阻害を誘導することが示唆されたため,このタンパク質付加体についても同様に検討を行ったが,LC分離により,明瞭なタンパク質付加体の存在を示すことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)