2012 Fiscal Year Annual Research Report
ライフステージや生活習慣による経口カドミウムの体内蓄積への影響
Project/Area Number |
22510077
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Research Institution | 大阪大谷大学 |
Principal Investigator |
閔 庚善 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (60140406)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 経口摂取カドミウム / リスクファクター / 欠食減食 / 生活習慣 / 運動負荷 / ライフステージ |
Research Abstract |
食品汚染物質であるカドミウムの体内蓄積に関与するライフステージや生活習慣における生体側因子を検索した。日本人の食生活において、低年齢時の欠食率が高いこと、ミネラル欠乏や生活活動量の低下が問題となっていることから、今年度はマウスを用いて欠食や運動負荷による経口摂取カドミウムの体内蓄積に及ぼす影響を検討した。マウスに1日毎の欠食を1~3回4週間、あるいは半日欠食を行い、それ以外は自由に摂食させた。また、1日摂食量の1/2減食を2週間行った場合についても検討した。体重減少は欠食では全く認められず、減食の場合は肝臓や腎臓重量が減少した。経口摂取カドミウムの体内蓄積量は、欠食した場合も減食した場合でもほとんど変化はなかった。一方、鉄やカルシウム欠乏食を与えた場合では、体重に全く変化がなかったが、カドミウムの体内蓄積量は有意に増加した。以上のことから、短期間あるいは長期間の飢餓状態よりも、鉄やカルシウムのような必須金属欠乏時の方がカドミウムの消化管吸収を増加させることが明らかになった。これには、小腸必須金属トランスポーター、特にカルシウムや鉄の輸送系が関与するためと考えられる。さらに、女性ライフステージにおける授乳期では、カルシウム欠乏よりも授乳によるカドミウムの体内蓄積量や小腸カルシウムトランスポーター発現量の増加が顕著で、母体がすでに授乳によってカルシウム欠乏に陥っていると考えられる。 一方、マウス運動負荷実験では、運動負荷量に応じて経口摂取カドミウムの体内蓄積量が有意に増加した。しかし、小腸必須金属トランスポーター発現量の運動による増加は認められず、運動負荷によるカドミウム体内蓄積量の増加は別の因子が関与していると考えられる。以上のことから、規則正しい食事を取っていても、ミネラル欠乏や激しい運動がカドミウム毒性発現のリスクファクターになることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)