2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510078
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
長尾 哲二 近畿大学, 理工学部, 教授 (30351563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加川 尚 近畿大学, 理工学部, 講師 (80351568)
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Keywords | 合成エストロゲン / 精巣毒性 / エピジェネティックス / DNAメチル化酵素 |
Research Abstract |
非変異原とされる合成エストロゲンの胎生期暴露された雄マウスの次世代に先天奇形が対照レベル以上に誘発される継世代催奇形作用の原因を探るため、今年度は胎生期暴露マウスの性腺の電子顕微鏡による超微形態変化の有無を観察した。その結果、妊娠8~11日にジエチルスチルベストロール暴露した胎齢13~18日の胎児では、いずれの時期の精巣においても精細管内にアポトーシス化あるいは変性した生殖細胞及び暗調なセルトリ細胞が多く認められた。さらに間質細胞ではミトコンドリアの小型化および滑面小胞体の減少がみられた。またこれらの胎児の生後10週におけるH・E染色による精巣組織観察では精巣の部分的雌化と精細管の萎縮などが認められ、軽度精巣毒性が確認された。また、エピジェネティックな遺伝子発現の制御ならびにゲノムの安定な維持に寄与していると考えられるDNAメチル化について検討した。合成エストロゲンを暴露した胎齢13~18日の胎児の精巣についてDNAメチル化酵素(Dnmt1、3a、3a2、3b、3L)タンパクおよび遺伝子mRNAに関する検討を免疫組織化学あるいはreal-time PCRにより予備的に行った結果、タンパク局在については対照群と暴露群との間で著明な差は認められなかった。mRNAの発現では胎齢13日胎児精巣においてDnmt3a2およびDnmt 3b mRNAの発現が統計学的に有意に増加した。このことからDNAメチル化の変動が示唆された。
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