2012 Fiscal Year Annual Research Report
元素回収システム構築のための金属イオン耐性を有する新規マンガン酸化物の探索
Project/Area Number |
22510089
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
谷 幸則 静岡県立大学, 環境科学研究所, 准教授 (10285190)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | マンガン酸化真菌 / 重金属回収 / 微生物処理 / レアメタル |
Research Abstract |
本課題は、微生物によって形成されるマンガン酸化物ナノ粒子が有する、重金属イオンへの高い吸着親和性と高い吸着収容力を利用する低エネルギー型の元素回収技術の開発を目的とした。この目的のために比較的高い濃度で様々な重金属イオンが混在する処理水中において、その阻害を受けることなく連続的にマンガン酸化物ナノ粒子を形成しうるマンガン酸化菌の検索し、微生物による連続的なマンガン酸化物ナノ粒子の形成を利用した重金属イオンの高効率な回収法の実用化を検討した。マンガン酸化物による酸化反応は、固相Mn(III)又はMn(IV)からMn(II)イオンへの還元(溶出)をともなう。共存する微生物のMn(II)酸化活性が高い場合、溶出されたMn(II)イオンはマンガン酸化物へと速やかに再酸化され、BMOからのMn(II)イオンの溶出が防止できると考えられる。この自己修復機能は、BMOのよるレアメタルリサイクル工程におけるマンガンの溶脱を防ぐ意味で重要である。本研究では、A. strictum KR21-2が形成したBMOの内部にMn(II)酸化酵素が安定的に保持され、その酵素活性によって、追加したMn(II)イオンから不溶性マンガン酸化物を連続的に形成できることを見出した。BMOに保持されたMn(II)酸化酵素によるMn(II)酸化反応は、Mn(II)イオンのみを含むHEPES緩衝溶液中で容易に進行し、菌体の生存に必要な栄養塩を含まない系でBMOの追加形成が可能である。つまり、リサイクル対象とする処理水が微生物の成長には適さない組成の場合には、BMOをあらかじめ適切な培養条件で形成させた後に処理水に混合することで、BMOを追加形成しながらレアメタルを回収できることを示唆している。-85℃での凍結保存でBMO中のMn(II)酸化活性が保存されることから、必要なときに利用することが可能である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|