2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規分子計測法の産業レベルでの廃プラスチック精密識別への展開
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22510092
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
河濟 博文 近畿大学, 工学部, 教授 (10150517)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | マテリアルリサイクル / ラマン散乱 / 光熱変換 / 家電リサイクル / 黒色プラスチック |
Research Abstract |
研究目的は、産業界での実用に耐えうるレーザ励起に基づく新規の廃プラスチック識別法を開発することである。そのために、ラマン散乱現象を利用した精密な識別法、光熱変換現象を利用した簡便な識別法、レーザブレークダウン発光法による添加物等の元素検出法につき研究開発を進めた。 ラマン分光法では、毎分100mで移動するベルトコンベア上のプラスチック片に対して3ミリ秒の測定時間で、プラスチックの種類を識別するに十分なSN比で信号が得られる装置を開発した。本年度は、その作動状態を定量的に評価する方法につき検討した。また、励起レーザ光で燃えやすくラマン信号が弱くなる黒・深色のプラスチック片のラマン散乱を効果的に測定できる広受光面分光システムを提案し、その性能を評価した。さらに、スペクトルの歪みを解析し、廃プラスチックの劣化の程度が見積もれる方法を提案し、実際に紫外線劣化させたサンプルの熱物性との相関を測定し、提案した解析方法の妥当性を検証した。 光熱変換法では、非接触温度測定、非分散赤外線強度測定、サーモグラフィー測定などによりプラスチックの種類が識別できることを明らかにした。しかし、現時点では、ラマン分光法に競合できるほどの精度は得られなかった。 レーザブレークダウン法では、高出力のパルスレーザの集光照射によりタルクやタンカルといった添加物中の金属元素が、高速に実用的な感度で検出できることを示した。また、発光スペクトルの詳細な解析により、廃プラスチック中の塩素元素のピークが検出できたので、容器リサイクルにおいてダイオキシン発生防止技術として応用展開できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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