2011 Fiscal Year Annual Research Report
アマモ種子供給でリンクした海域内の種母アマモ群落保全によるアマモ群落の間接的保全
Project/Area Number |
22510093
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
中野 陽一 独立行政法人国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (10325152)
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Keywords | アマモ場 / 種子供給経路 / マイクロサテライト分析 / 種母 |
Research Abstract |
種母からの種子供給経路をリンクした海域内の種母アマモ群落保全によるアマモ群落の間接的保全の確立を目指し、漂流ブイによる潮流調査、空中写真、潜水調査を用いた種子移動経路の解明するための基礎的研究を行っている。この流れアマモのGPS調査、マイクロサテライト解析法、空中写真を用いて、広島県竹原市周辺のアマモ場の種子供給関係を把握し、種母となるアマモ場の保全を目的としている。今年度は、生野島湾内のアマモ場の種子量、播種された種の種子量、湾外に漂流しているアマモと漂流している生殖株の種子を対象として生野島周辺の種子供給機構、供給経路の調査を行った。また、漂流している種子のマイクロサテライト解析法による測定方法の開発も合わせて行った。漂流ブイのGPSの結果から、生野島湾内の潮流と潮汐との関係を調べ、干潮の時に湾中心部にアマモが集塊し、湾外に流出することが示された。満潮時に生野島周辺から集塊したアマモが湾内に入り沿岸に着床した。空中写真の合成結果よりアマモ場の面積が0.28km^2だった。生殖株は12株/m2で、湾内の生殖株は336万株が存在し、種子は6.62×10^7個存在することが推算された。生野島湾内で採取した海底の土より、種子が2.02×10^6個となり、それ以外の種子は湾外に流出していると示唆された。周辺を流出している集塊したアマモには7000個/kgの種子が含まれていた。 DNAの抽出方法は、セパジーンとアイソゲンを用いて、対照実験を行った。結果、アイソゲンの方が抽出をより良く出来ていることが銀染色によって確認で出来た。また、アイソゲンで、種一粒からのDNAの抽出ができた。これから抽出したDNAを解析する。栄養株と種子の分析により精度を高めたマイクロサテライト分析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
集塊した流出アマモ、土壌、漂着したアマモから種子を採取でき、それぞれについてDNA抽出ができマイクロサテライト分析が行えた。周辺のアマモ場にも同様にマイクロサテライト分析を行えば、それぞれのアマモ場の相互依存関係が推算でき、種子の保有用、排出量から種母を確定することが可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
生野島を中心に、集塊し流失したアマモのGPS調査により分布が把握でき、アマモ間での流動関係をある程度把握し、関係のあるアマモ場を4か所を抽出して、現場調査、マイクロサテライト分析を行う。
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Research Products
(2 results)