2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510099
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
戸高 惠美子 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (30334212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 千里 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90174375)
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Keywords | 人間生活環境 / ケミレスタウン / シックハウス症候群 / 室内環境 / 予防医学 |
Research Abstract |
(空気中にどのようなVOCがどの程度の濃度で存在するかの精密分析) 千葉大学柏の葉キャンパス内に建設した化学物質を低減したモデルタウン「ケミレスタウン」内の各実験棟において部材の放散速度試験、室内空気中の化学物質濃度を測定および体感評価試験を行った。室内空気中VOC濃度については、VOC64物質、アルデヒド類17物質を精密分析し、その積算をこの実験における「総揮発性有機化合物(TVOC)」とした。1年を通してTVOCが戸建型実験棟では概ね500μg/m^3以下、公共施設を想定した実験棟では100μg/m^3以下の低濃度を保つことができた。 (宅配型簡易ポンプの開発と性能検証) シックハウス症状を訴える患者が、症状を引き起こす場所の空気中化学物質濃度を測定し、原因を特定すること、どの化学物質が症状と関連しているのかを調査するために開発をすすめてきた宅配型簡易ポンプを完成させ、24時間捕集ポンプと性能比較試験および使用方法の検査を実施したところ良好な結果が得られ、これからの調査に使用できることがわかった。 (臭気による評価システム開発) シックハウス症候群の症状を訴える人の多くが臭気についても訴えていることから室内空気中の化学物質を臭気を用いて客観的に評価し、新しい指標を策定することによってシックハウス症候群を予防することを試みた。具体的には各物質の室内濃度を嗅覚閾値濃度で除した値を臭気閾値比と定義し、実際の住宅における臭気閾値比および総OTR(TOTR)を算出し、空気中の化学物質濃度との相関を見ることで臭気による評価の妥当性を検討した結果、臭気が指標となる可能性がみえてきた。以降、ヒトによる官能試験を行って、さらに臭気による指標策定をすすめていく予定である。
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