2010 Fiscal Year Annual Research Report
高性能フレキシブル熱電素子のためのBi-Te系熱電ナノ粒子超格子構造の創製
Project/Area Number |
22510102
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
前之園 信也 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (00323535)
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Keywords | クラスター・微粒子 / ナノ粒子 / 熱電材料 / Bi-Sb-Te / ナノワイヤ / ナノディスク / フォノン遮蔽 / 生成メカニズム |
Research Abstract |
ナノ構造制御された熱電材料(ナノ熱電材料)は、フォノン遮蔽/キャリア伝播の同時達成と量子サイズ効果による熱電変換性能の向上が期待される。本研究では、高性能かつフレキシブルな次世代熱電素子の実現を目標とし、新規Bi-Te系熱電ナノ粒子(p型およびn型)の合成と、それらの超格子構造の創製を行うことを目的とする。 単分散な熱電ナノ粒子の自己組織的化によって作製される超格子構造は、化学合成と塗布プロセスによって容易に得られ、フォノン平均自由行程以下の粒径とデルタ関数的な電子状態密度を示すことから、熱電性能の高性能化の条件を満たす。 我々はBi、SbおよびTeの合金(室温で高い熱電変換効率を示すp型熱電半導体)のナノ物質を改良ポリオール法によって化学合成することに成功した。表面保護剤の種類を選択することで、Bi-Sb-Teナノワイヤやナノディスクを合成できることも見出した。さらに、他の表面保護剤を用いて合成を行うことでナノワイヤの成長メカニズムに関しての重要な知見を得た。世界最高水準の分解能を有する走査透過型電子顕微鏡(STEM:JEOL JEM-ARM200F)を用いて、Bi-Sb-Teナノ粒子の構造や組成を精密に調べ、合成条件と比較することによって、Bi-Sb-Teナノ粒子の生成・成長メカニズムを明らかにした。これらのナノワイヤをペレット状にして焼結させた場合、熱伝導率がバルク結晶よりも低減され、熱電変換効率が向上することがわかった。
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