2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工細胞膜を目指した安定なナノ構造分子膜構築に関する研究
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22510106
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
澤口 隆博 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (50357175)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 機能性超薄膜 / プローブ顕微鏡 / 自己組織化 / 構造・機能材料 / 表面・界面物性 / ナノ構造分子膜 / 人工細胞膜 |
Research Abstract |
本研究は、表面修飾材料として新規に開発したホスホリルコリン系分子を電極基板上に単分子膜形成させ、膜タンパク等の生体分子を捕捉し安定に機能発現しうる、生体膜類似のナノ構造分子膜を構築することを目的としている。チオール基等を介した結合形成により電極上での膜構造の安定化を図り、膜の集積状態、膜を介した物質移動や電子移動反応等、膜の基本特性の評価および膜構造の分子レベル解析により、膜タンパクを非変性的かつ安定に補足しうるナノ構造分子膜の詳細を検討し、ホスホリルコリン系分子による人工細胞膜の構築を試みた。 新規に開発した一連のホスホリルコリン系分子について原子的に平滑なAu単結晶電極(Au(111))上にナノ構造分子膜を構築し、膜の基本構造、すなわち、膜の密度、分子配列や配向等についての評価を行った。これにより、ホスホリルコリン部位がアルキル鎖に比べてかなりかさ高いこと、そのためホスホリルコリン系分子はダブルストライプ状の配列構造を有している可能性が高いこと、その表面濃度は約5×10-10 mol/cm2程度あること等が判明し、ホスホリルコリン系分子が電極表面に形成するナノ構造分子膜の基本構造が明らかになった。一方、膜タンパクのナノ構造分子膜内への導入時に用いる膜タンパクの補足固定用リンカー分子についても検討を行い、Au単結晶電極表面で極めて緻密な固定化状態であることが分かった。ホスホリルコリン系分子によるナノ構造分子膜内に膜タンパク補足用リンカー分子の分散を検討したところ、リンカー分子が約10%以下では混合分散はホスホリルコリン系分子のナノ構造分子膜が有する基本的な膜特性を損なわないことが分かった。また、膜タンパクとしてユビキノンを用いた検討では所定の条件で比較的再現性良く膜内への導入が可能であることから、膜タンパクの非変性導入におけるいくつかの重要な技術要素が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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