2012 Fiscal Year Annual Research Report
二層グラフェンの多孔構造における構造探索と物性制御
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22510108
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中田 恭子 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (20272742)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | グラフェン / 二層グラフェン / 多孔構造 / ナノチューブ / π電子状態 |
Research Abstract |
二層グラフェンの多孔構造を形成するミクロ孔が、(1)12枚の7員環を持ち、(2)それ自身カイラリティを持たず、(3)これが3,4,6配位となるように配置された周期構造を形成する、という3条件を満たす場合について、可能な構造を系統的に発生させた。π電子ネットワークのトポロジーはミクロ孔当たり12枚の7員環の配置によって決定されるが、上の3条件を満たす場合は、(a)ミクロ孔の配位数と(b)ミクロ孔をナノチューブとみなした場合の種類(チューブのカイラルベクトル)の2点に関して分類すると見通し良く電子状態を理解できることがわかった。 大きな傾向として、ミクロ孔の配位数が3または4の場合は、チューブのカイラルベクトルによらず、二層グラフェンの多孔構造は金属的な電子状態を示す。一方、ミクロ孔の配位数が6の場合は、ミクロ孔がzigzagチューブであれば金属的な電子状態を示すが、ミクロ孔がarmchairチューブである場合は、ミクロ孔間の距離が小さなうちは半導体的な電子状態を示すことがわかった。 また、全体的に共通する傾向として、ミクロ孔間の距離が大きくなると、配位数やカイラルベクトルによらず、分散の非常に小さなバンドがフェルミ準位近傍に現れることがわかった。このフラットバンドの波動関数はミクロ孔の部分に局在しており、二層グラフェンの部分には波動関数の振幅をほとんど持たない。一方で、フラットバンド直下のバンドはミクロ孔の部分に波動関数の振幅をほとんど持たない。よって、二層グラフェンの多孔構造はグラフェン本来のπ電子状態を大きく変調し、フェルミ準位のわずかな制御によって、フェルミ準位の部分電荷を空間的に大きく変えることができることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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