2010 Fiscal Year Annual Research Report
高速結晶化過程の解明のための光トラップを用いた非接触式試料保持機構の開発
Project/Area Number |
22510109
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
福山 祥光 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (20332249)
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Keywords | 結晶成長 / ナノ材料 / レーザートラップ |
Research Abstract |
X線回折実験において、試料と試料保持機構の接触を本質的に排除し、純粋な物性研究や動的な構造研究を行なうために、光トラップを用いた非接触式試料保持機構の開発を行なっている。本年度は、以下の2点について研究・開発を行った。 1. 低圧ヘリウムガス中で微粒子に対する光トラップの実現。 光トラップの光源に、波長532nm、出力5WのNd : YVO_4レーザーを用いて原理実証試験を行い、粒径約5μmのテスト粒子(NaCl)を約1時間安定にトラップすることに成功した。また、トラップされた微粒子の位置の安定度は約5μmと評価できた。一方、X線回折実験のための試料保持機構とするためには、レーザー光源のファイバイー化が必要不可欠であるため、波長975nm、出力750mWの半導体レーザーのシステムを構築した。来年度は、X線回折計の上に設置が可能な小型試料保持チャンバーを開発し、ファイバー化したレーザーと組合せ試料保持機構を完成させ、X線回折実験を行う予定である。 2. ラゲール・ガウシアンモードレーザーの開発。 試料微粒子の回転運動を制御するために、軌道角運動量を持ったラゲール・ガウシアンモード(LGモード)のレーザーを開発した。波長780nmのピッグテール付き半導体レーザーとボーッテクスレンズと呼ばれる位相プレートを組み合わせることにより、X線回折計の上に設置が可能なサイズに小型化することに成功した。またモードコンバータを用いた従来の方法に比べて、レーザーの波長揺らぎに影響を受けにくい特徴を有する。
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