2012 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物内包カーボンナノチューブのNO2検知におけるp-n接合効果
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22510115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋新 剛 大阪大学, 接合科学研究所, 研究員 (20336184)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酸化物-MWCNT複合体 / p-n接合効果 / 空間電荷層 / 走査トンネル分光法 |
Research Abstract |
最終年度である平成24年度では、マイクロギャップAu櫛型電極(ギャップ:5 µm, 櫛歯:50本)の上に三種類の素材(酸化物単独、MWCNT単独、酸化物-MWCNT複合体)を成膜したセンサ素子を用いて項目5)を検討した結果を以下に示す。 [ 酸化物-MWCNT複合体の電気抵抗変化と空間電荷層の拡がり] MWCNTへの酸化スズ粒子の添加量増加に伴い、電気抵抗が増大した。これはp型半導体であるMWCNTとn型半導体である酸化スズの界面でp-n接合が形成されたことで、空間電荷層がセンサ素子全体に拡がったと推察された。 [走査トンネル分光法(STS)による空気中と真空中でのバンドギャップの評価 ] 空気中と真空中でのI-V曲線から得られる微分コンダクタンス(dI/dV)を見積り、電流変化が存在しない電位領域をバンドギャップとして、MWCNTへの酸化スズの添加による空間電荷層の拡がりを実験的に検証した。空気中は酸素濃度が高く、真空中は酸素濃度が低い。酸素濃度は直接的に吸着酸素量に影響する。したがって、空気中と真空中でのバンドギャップ差(Eg[air]-Eg[vac.]=⊿Eg)が正の場合はn型半導体として振る舞い、それが負の場合はp型半導体として振る舞うことを意味する。一方、バンドギャップ差が著しく大きければ、空間電荷層の拡がりが大きいことを意味する。酸化スズのMWCNTへの添加によるバンドギャップ差は -2.11 eV であり、MWCNT単独でのバンドギャップ差(-0.27 eV)の約10倍も大きい結果が得られた。 以上より、本研究はおおむね目的を達成したと言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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